数字が現実を突きつけている。
世界最大の市場調査会社イプソス(Ipsos)が発表した最新調査「What Worries Thailand? H1 2026」によると、タイの消費者信頼感指数がこの1ヶ月で世界最大の落ち込みを記録した。
調査の結果は衝撃的だ。タイ国民の56%が「国は誤った方向に向かっている」と回答。経済状況を「悪い」と評価した人は71%に達し、この数値はわずか1ヶ月で17ポイントも跳ね上がった。これはコロナ禍の2020年以来、最大の下落幅だという。
「車も家も変えない」ーー消費マインドが凍り付いた
経済への不信感は消費行動に直接影響している。62%が「車や住宅などの大型購入を控えている」と回答。51%が「日常的な生活必需品の購入にも不安を感じている」という深刻な結果が出た。雇用不安も深刻で、49%が「仕事を失うかもしれない」という不安を抱えており、56%が「老後のための貯蓄や子どもの教育費を用意できる自信がない」と答えた。
最大の不安は「汚職」ーー政治への不信が底流に
タイ国民が最も懸念する問題のトップが「汚職・腐敗(49%)」だ。経済問題よりも先に政治・行政への不信が心を占めている。続いて「貧困と格差(41%)」「インフレ・物価高(27%)」が続いた。
政府は消費者向け補助金制度を施行中だが、専門家は「短期的な景気刺激策では構造的な問題は解決しない」と警告する。補助金でお腹が満たされても、未来への希望がなければ人は動かない。