
タイ国鉄(SRT)は19日、バンコク市内で発生した旅客列車と歩行者の接触事故について公式声明を発表した。一部メディアやSNS上で「列車が人をはねた」との誤解が広がっていることに対し、国鉄側は「列車の運行に一切の過失はなく、負傷者が意図的に遮断壁を越えて線路内に侵入したことによる前方不注意(過失)が原因」と強く反論した。
事故は18日の午前10時40分ごろ、マッカサン駅からクロントン駅の間(アソーク停車場の手前付近)で発生した。バンコク発チャチェンサオ行きの郊外型旅客列車(第367本線列車)が運行中、線路内に立ち入った男性と接触した。
国鉄の調査によると、負傷した男性は当時、オートバイを道路脇に止め、道路と国鉄敷地を明確に区分するために設置されていたコンクリート製の遮断壁(バリア)を自ら飛び越えて線路内に侵入。直至近の距離で用を足していたという。列車側は接近時に警笛を鳴らして警告したものの、重量のある鉄道車両の特性上、制動距離が必要となり、急ブレーキが間に合わず接触に至った。
公共インフラの遅延波及、国鉄は警戒呼びかけ
今回の事故により、当該列車を含む周辺の運行ダイヤが乱れ、最終的に22分の遅延が生じた。タイ国鉄は、個人の無謀な行動が自身の生命を危険にさらすだけでなく、公共交通機関の定時運行を妨げ、利用客全体に重大な影響を及ぼしたとして遺憾の意を示している。
タイ国内では都市鉄道網の整備が進む一方で、線路内への不法侵入や直前横断による事故が絶えない。国鉄は声明の最後で、「フェンスやバリアで囲まれた鉄道敷地内は完全な危険区域であり、立ち入り禁止である」と改めて強調。安全確保と公共インフラの安定維持に向け、順法精神の徹底を強く呼びかけた
