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タイ社会保険の失業給付を受給する方法 日本人向け完全ガイド

💼 タイ生活ガイド|社会保険・失業給付

タイ社会保険の失業給付を受給する方法
【日本人向け完全ガイド2026年版】

受給条件・給付額の計算・手続きの流れ・外国人ならではの注意点を徹底解説

📅 2026年5月更新 🏛️ タイ社会保険事務所(SSO)情報 ✅ 2026年法改正対応
タイで就労する外国人も、タイの社会保険(第33条)に加入している場合は、失業給付(雇用給付)を受け取る権利があります。日本の雇用保険制度と仕組みは似ていますが、申請期限・受給条件・外国人特有のビザ問題など、知っておくべき違いもあります。

この記事では、タイ社会保険の失業給付について、受給条件・給付額・申請手続きを日本人向けにわかりやすく解説します。また、退職後に社会保険を任意継続できる「第39条」の制度についても合わせて紹介します。

タイ社会保険の被保険者の区分と失業給付の位置づけ

タイの社会保険法では、被保険者を3つの区分(第33条・第39条・第40条)に分類しています。失業給付を受け取れるのは、このうち第33条被保険者のみです。

区分対象者保険料失業給付
第33条雇用主に雇われている労働者(外国人含む・強制加入)月給の5%(上限875B※)受給可能
第39条第33条を退職後に任意継続する者月額 432バーツ(定額)受給不可
第40条自営業者・フリーランス等(任意加入)月額 70〜300バーツ(プランによる)受給不可

※ 保険料の賃金上限は2026年1月より15,000バーツ→17,500バーツに改正。個人負担の月額上限は750B→875Bへ。

📌 失業給付は「第33条被保険者のみ」が対象 タイ企業や外資系企業に雇用されて社会保険を天引きされていた方は、第33条被保険者として失業給付の申請資格があります。ただし、退職後に任意継続(第39条)に切り替えた後は、失業給付は受けられなくなります。

失業給付の受給条件

失業給付を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。

条件詳細
加入期間退職前15ヶ月の間に6ヶ月以上の保険料支払い実績があること(連続不要・合算可)
失業状態現在、社会保険(第33条)の被保険者でないこと(在職中は申請不可)
失業期間失業期間が8日以上継続していること
申請期限退職日から30日以内に最寄りのSSO事務所または公共職業安定所(Employment Office)で求職者登録を行うこと
求職活動積極的に求職活動を行っており、月次の求職報告を提出できること
非自己都合の解雇(給付日数の違い)給付日数は退職理由によって異なる(下記参照)。ただし自己都合でも受給は可能
🔴 申請期限「30日以内」は厳守! 退職日から30日以内にSSO事務所または公共職業安定所(Labour Department)に求職登録をしないと、失業給付の受給資格を失います。退職後すみやかに行動しましょう。

❌ 受給できないケース

  • 🚫懲戒解雇(重大な非違行為による解雇)の場合
  • 🚫自ら退職した後に第39条(任意継続)へ切り替えた場合(以後は失業給付対象外)
  • 🚫契約期間満了による退職で、特定の条件下にある場合(内容により異なる)
  • 🚫在職中(現在も保険料を納付している)の場合
  • 🚫退職日から30日を超えて申請した場合

給付額の計算方法とシミュレーション

📊 退職理由別の給付条件

🏭 会社都合による退職(解雇・倒産等)
  • 給付率:平均月給の60%
  • 給付期間:最長180日(約6ヶ月)
  • 対象:解雇・倒産・雇用主側の理由による雇用終了
  • 受給上限(〜2025年末):9,000バーツ/月
    (15,000 × 60% = 9,000)
  • 受給上限(2026年〜):10,500バーツ/月
    (17,500 × 60% = 10,500)
🚶 自己都合による退職
  • 給付率:平均月給の30%
  • 給付期間:最長90日(約3ヶ月)
  • 対象:自主退職・任期満了・双方合意退職等
  • 受給上限(〜2025年末):4,500バーツ/月
    (15,000 × 30% = 4,500)
  • 受給上限(2026年〜):5,250バーツ/月
    (17,500 × 30% = 5,250)

🔢 給付額の計算方法

計算式
月額給付額 = 直近の平均月給(上限15,000B ※2026年〜17,500B)× 給付率

【会社都合】平均月給(上限)× 60% × 最長180日
【自己都合】平均月給(上限)× 30% × 最長90日

※「平均月給」は退職直前の実際の月給が計算に使われますが、上限額(15,000バーツ、2026年〜17,500バーツ)を超える部分は計算に含まれません。

📝 シミュレーション①:会社都合退職・月給40,000バーツの場合(2025年末まで)

ケース①:会社都合退職、月給40,000バーツ(上限15,000バーツ適用)
計算ベース:15,000バーツ(上限)
月額給付 = 15,000 × 60% = 9,000バーツ/月
最長受給期間:180日(約6ヶ月)
月額給付額9,000バーツ
最長受給総額(180日)54,000バーツ ≈ 約216,000円

📝 シミュレーション②:自己都合退職・月給30,000バーツの場合(2025年末まで)

ケース②:自己都合退職、月給30,000バーツ(上限15,000バーツ適用)
計算ベース:15,000バーツ(上限)
月額給付 = 15,000 × 30% = 4,500バーツ/月
最長受給期間:90日(約3ヶ月)
月額給付額4,500バーツ
最長受給総額(90日)13,500バーツ ≈ 約54,000円

📝 シミュレーション③:会社都合退職(2026年以降・賃金上限改定後)

ケース③:会社都合退職、月給40,000バーツ(2026年〜上限17,500バーツ適用)
計算ベース:17,500バーツ(2026年〜の上限)
月額給付 = 17,500 × 60% = 10,500バーツ/月
最長受給期間:180日(約6ヶ月)
月額給付額10,500バーツ
最長受給総額(180日)63,000バーツ ≈ 約252,000円
2025年末までとの差額+9,000バーツ(+約36,000円)
※ 円換算は1バーツ=4円で計算しています。
※ 実際の給付日数は「失業している日数」分のみです。再就職すれば受給は終了します。

申請手続きの流れ

📄 必要書類

  • 📘パスポート(原本)+コピー写真ページ・現在のビザページ・最新の入国スタンプページ
  • 🪪ワークパーミット(労働許可証)+コピー退職後もコピーを保管しておくこと
  • 🏛️社会保険カード(SSカード)+コピー社会保険番号(13桁)が記載されたもの
  • 🏦本人名義のタイ銀行口座(通帳またはキャッシュカード)+コピー給付金の振込口座として必要
  • 📝失業給付申請書(สปส. 2-01/7)SSO事務所の窓口または公式サイト(www.sso.go.th)から入手
  • 📋雇用終了証明書(退職証明書)会社(雇用主)が発行するもの。退職日・退職理由が明記されていることが望ましい
⚠️ 退職証明書は退職前に会社に依頼しておこう 退職証明書(หนังสือรับรองการทำงาน)は、雇用主(会社)が発行するものです。失業給付の申請に必要なため、退職時または退職前に発行を依頼しておきましょう。退職後しばらくしてから請求すると、対応が遅れる場合があります。

🗓️ 手続きのステップ

1
退職日から30日以内に求職者登録

最寄りのSSO事務所(社会保険事務所)または公共職業安定所(Employment Office / กรมการจัดหางาน)に出向き、求職者登録(失業給付申請)を行う。この30日という期限が最重要。
オンライン申請も可能(www.sso.go.th のe-Serviceページから)。

2
申請書類の提出・受付

申請書類一式を窓口に提出。スタッフが書類を確認し、受付番号が発行される。不備がある場合はここで指摘される。

3
SSOによる審査・承認(約1〜2週間)

提出書類に基づいてSSOが審査を実施。加入月数・退職理由・書類の整合性が確認される。

4
承認後、指定のタイ銀行口座へ給付金が振込

承認されると、指定の銀行口座に月次で給付金が振り込まれる。振込日はSSOから通知される(通常、月初めに翌月分が振り込まれる)。

5
毎月の求職活動報告(継続手続き)

受給中は毎月1回、求職活動の状況をSSO事務所または公共職業安定所に報告する義務がある。報告を怠ると給付が停止される。

6
再就職または給付期間終了で受給終了

新しい仕事に就いて社会保険(第33条)に再加入した時点で給付は終了。会社都合なら最長180日、自己都合なら最長90日で終了。

📋 受給中の月次報告(求職活動報告)

失業給付を継続して受給するためには、毎月決められた期日に求職活動の報告(出頭または書類提出)が必要です。

報告方法内容
窓口出頭SSO事務所または公共職業安定所に直接出向いて報告書を提出する
オンライン報告SSO公式サイト(www.sso.go.th)のe-Serviceから報告できる場合あり。最新情報はSSOに確認
⚠️ 報告を怠ると給付が止まります 月次報告は受給継続の条件です。忘れたり、期限を過ぎたりすると給付が一時停止されます。報告期限はSSO事務所またはスタッフから案内されますので、必ず把握しておきましょう。

外国人(日本人)が知っておくべき特有の注意点

📌 日本人・外国人でも失業給付は受け取れます タイ国籍を持たない外国人であっても、第33条被保険者として受給条件を満たしていれば、失業給付を申請する権利があります(2015年以降の法改正により確認済み)。ただし、ビザ・ワークパーミットに関する外国人特有の問題に注意が必要です。

⚠️ ビザ・ワークパーミットの問題

🔴 最重要:退職後はビザとワークパーミットの有効性が問題になる タイの就労ビザ(Non-B)は通常、雇用主とセットで発行されています。退職すると同時に、ビザの根拠が失われる可能性があります。また、ワークパーミット(労働許可証)は退職後7日以内に労働省へ返却する義務があります。

つまり、失業給付を受けながらタイに滞在し続けるためには、別のビザ(Non-O、観光ビザ等)で在留資格を維持するか、次の雇用主を見つけてビザを更新する必要があります。
問題内容対策
ワークパーミットの返却義務退職後7日以内に労働省(雇用局)に返却義務あり退職前から次の雇用先を探し、できるだけ空白期間を短くする
Non-Bビザの根拠消滅就労ビザは雇用主の後ろ盾があって初めて有効。退職後は理論上ビザの根拠が失われるイミグレーションに相談してNon-OビザやTourist Visaに切り替えるか、次の就職先を素早く確保する
失業中の合法的在留失業中もタイに滞在し続けるためには有効な在留資格が必要ビザランや国境越えも選択肢の一つだが、弁護士またはビザ専門業者への相談を推奨
💡 実際的なアドバイス 失業給付の申請は退職後30日以内という期限があるため、退職が決まったらすぐに行動することが重要です。一方で、ビザ問題は並行して対処が必要なため、退職前から次の就職先を探すか、ビザ専門家・弁護士に相談して在留資格の維持計画を立てましょう。

🗣️ 言語の壁への対処法

SSO事務所の窓口は基本的にタイ語対応です。外国人対応に慣れているスタッフは一部のオフィスに限られます。以下の方法で対処しましょう。

  • 目的と必要書類を事前にタイ語で書いてメモを準備する(「失業給付を申請したい」= ต้องการขอรับสิทธิประโยชน์กรณีว่างงาน)
  • 翻訳アプリ(Google翻訳等)をスマートフォンにインストールし、その場でやり取りに活用する
  • タイ語が得意な日本人の知人やコンサルタントに同行をお願いする
  • 日系の社会保険申請代行サービスや人事コンサルタントを活用する

退職後の社会保険任意継続(第39条)について

退職後に健康保険などの社会保険の給付を継続したい場合は、第39条(任意継続)への切り替えが選択肢の一つです。ただし、失業給付は第39条への切り替え後は受け取れなくなります。

項目内容
加入条件第33条として12ヶ月以上保険料を支払っていたこと
申請期限退職後6ヶ月以内にSSO事務所で手続き
月額保険料432バーツ(定額)
受けられる給付傷病給付・出産給付・心身障害給付・死亡給付・育児給付・老齢給付(加入月数に加算される)
受けられない給付失業給付(受給不可)
⚠️ 第39条への切り替えのタイミングに注意! 第39条に切り替えると同時に、失業給付を受ける権利が消滅します。失業給付を受け取ることを優先したい場合は、給付期間が終わってから(または次の就職先が決まるまで)第39条への切り替えを検討しましょう。
💡 外国人(日本人)と第39条 第39条は「タイに継続的に在住しながら健康保険給付を維持したい方」に向いています。ただし、日本に帰国する場合はタイの病院での保険利用が主な恩恵のため、帰国予定がある方には必ずしもメリットが大きくないケースもあります。ご自身の状況に合わせて判断しましょう。

2026年法改正による変更点

2025年12月に公布された改正により、社会保険料の算定基礎賃金の上限が段階的に引き上げられます。これにより、失業給付の上限額も増額されます。

適用期間賃金上限会社都合の月額上限自己都合の月額上限
〜2025年12月31日15,000バーツ9,000バーツ(15,000×60%)4,500バーツ(15,000×30%)
2026年1月〜2028年12月 改正17,500バーツ10,500バーツ(17,500×60%)5,250バーツ(17,500×30%)
2029年1月〜2031年12月20,000バーツ12,000バーツ6,000バーツ
2032年1月〜23,000バーツ13,800バーツ6,900バーツ
✅ 2026年以降は失業給付の上限額が増えます 2026年1月以降に失業した場合、会社都合退職の月額上限は9,000バーツから10,500バーツへと約17%増加します(賃金が上限以上の場合)。この改正は1995年から30年間据え置かれていた賃金上限の初めての引き上げであり、加入者の実態に即したものとして評価されています。

よくある質問(FAQ)

Q
退職後すぐに日本に一時帰国してしまいました。失業給付の申請はまだ間に合いますか?
A
申請期限の「30日以内」は退職日からカウントされます。一時帰国中であっても、タイに戻ってから30日以内であれば申請できます。ただし、タイ国外からの申請は原則できないため、30日以内にタイに戻る必要があります。日程が厳しい場合は、オンライン申請の可否をSSO事務所に事前確認してください。
Q
会社を自己都合で退職しましたが、失業給付を受け取ることはできますか?
A
はい、受け取れます。ただし自己都合退職の場合、給付率は平均月給の30%・最長90日間と、会社都合(60%・最長180日)に比べて給付額と期間が少なくなります。それでも受給条件(過去15ヶ月に6ヶ月以上の加入、30日以内の申請等)を満たしていれば申請可能です。
Q
失業給付を受け取りながら、アルバイトや副業をしてもよいですか?
A
原則として、失業給付は「仕事がない状態」を前提に支給されます。就労(アルバイト含む)によって収入を得た場合は、その事実をSSOに報告する義務があります。申告せずに働いた場合、給付の不正受給とみなされる可能性があります。外国人の場合、副業・アルバイトにはワークパーミットが必要なことも考慮が必要です。
Q
給付期間(180日または90日)の途中で再就職した場合、残りの給付はどうなりますか?
A
再就職した時点で失業給付の受給は終了します。残りの給付日数を後でまとめて受け取ることはできません。ただし、再就職後に再び失業した場合は、その時点で改めて受給条件を満たしていれば再申請が可能です。
Q
失業給付を受け取った後、日本に帰国することを考えています。受給途中で帰国しても問題ありませんか?
A
タイに在住していないと、月次の求職活動報告(継続手続き)ができなくなるため、事実上給付の継続が難しくなります。帰国を決めたタイミングで受給を終了するのが現実的です。なお、老齢一時金(老齢給付)と異なり、失業給付を帰国後に日本で申請することは一般的にできません。
Q
第33条の加入期間は転職前の会社での期間も合算されますか?
A
はい。タイ社会保険の加入期間は、社会保険番号が同一であれば複数の会社での加入期間が累積されます。失業給付の受給条件である「過去15ヶ月に6ヶ月以上」は、同じ会社に6ヶ月いる必要はなく、期間内に合計6ヶ月以上の保険料支払いがあれば条件を満たします。

まとめ

✅ 申請前の確認チェックリスト

  • 退職前15ヶ月に6ヶ月以上の社会保険(第33条)加入期間がある
  • 退職証明書(雇用終了証明)を会社に依頼・取得済み
  • パスポート・ワークパーミット・社会保険カードのコピーを準備済み
  • タイ国内の銀行口座(本人名義)を持っている・維持している
  • 退職日から30日以内に申請できる日程を確保している
  • 退職後のビザ・在留資格の維持方法を確認済み(または確認する予定)
  • 失業給付と任意継続(第39条)のどちらを優先するか検討済み

🏛️ この記事のまとめ

  • 失業給付を受けられるのは第33条被保険者(雇用されている労働者)のみ。外国人(日本人)でも条件を満たせば受給可能。
  • 受給条件は退職前15ヶ月に6ヶ月以上の加入退職後30日以内の申請の2点が最重要。
  • 給付額は会社都合なら平均月給の60%・最長180日、自己都合なら30%・最長90日
  • 受給中は月次の求職活動報告が必須。怠ると給付が停止される。
  • 外国人特有の注意点としてビザ・ワークパーミットの問題がある。退職後のタイ在留資格の維持方法を事前に確認することが重要。
  • 第39条(任意継続)に切り替えると失業給付は受けられなくなる。給付期間終了後に検討するのが得策。
  • 2026年1月の法改正で賃金上限が17,500バーツに引き上げられ、会社都合の月額上限は9,000→10,500バーツへ増額。

日刊タイニュース(Nikkan Thai News)

本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細・手続きは変更される場合があります。
最新情報はタイ社会保険事務所(SSO)公式サイトでご確認ください。

本記事の内容は情報提供を目的としており、法律的・行政的な助言を構成するものではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。

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