謎の外国人グループ、タイで不動産業を営むロシア人に300万米ドルを要求
タイ警察は9月27日、タイ南部スラタニ県のリゾート地サムイ島で不動産業を営むロシア人夫妻(31)が6人組の外国人から恐喝にあい、仮想通貨5万米ドル(約188万バーツ)を脅し取られる事件があったことを明らかにした。
現地メディアの報道によると、ロシア人夫妻は15日に島内のコーヒーショップで飲食をしていたところ、ドイツ人とみられる男が
「ロシアで会ったことがある」
などと話しかけてきた。
しばらく話すと、外国人とおもわれる6人の男が夫妻を取り囲み、仮想通貨300万米ドル(約1億1200万バーツ)を振り込むよう恐喝した。
暴行や拉致を恐れた夫妻は要求を飲もうとしたが、口座残高が5万8000米ドルしかなかったことから5万米ドルを送金した。
ドイツ人とみられる男は、入金を確認すると、自分の電話番号がかかれたメモを渡し、
「残りの金は後日取りに行く」
と言い残し去っていったという。
犯人グループは、5人が黒いバン、1人がバイクに乗ってコーヒーショップを後にしたという。
何者かが尾行、犯人グループが支払い催促のメッセージ
翌16日、夫妻が食事をしようと自宅から車で外出したところ、何者かが尾行しているのに気づき、食事をせずに自宅に戻ったが、18日、仮想通貨のコミュニティ運営などによく利用されるアプリ「テレグラム」で犯人グループからメッセージが届き、
「仮想通貨は稼げたか」
「稼げたらすぐに送金しろ」
「送金はBybit(バイビット)経由だぞ」
「仮想通貨でなく現金でも構わない」
などと言われたが、夫妻は資金不足のため送金しなかった。
夫妻は身の危険を感じたため、25日、警察に被害を届け出た。
警察はこれまでにサムイ島内の監視カメラを確認し、犯行に使われたバンがパタヤのレンタカーショップのものであることを確認しており、パタヤを拠点とするロシア人マフィアの犯行によるものだとみている。
そのほか、犯人グループのうち、身元が確認されたドイツ人1人は18日に、カザフスタン人1人は20日にスワンナプーム空港から出国していたことを確認したという。