タイ西部カンチャナブリ県で陸軍施設の事務員の女性(34)宅に同僚の軍曹(30)が不法侵入し女性に性的暴行を加えていた事件で、被害者の女性が9月14日午前11時、弁護士らとともにラートヤー警察署に出頭し、捜査状況の開示を要求した。
現地メディアの報道によると、事件があったのは8月24日午前9時ごろで、被害者の女性が出勤するため身支度を整えていると、同僚の軍曹が女性宅に玄関から侵入。
「旦那はいる?」と女性に尋ね、不在であることがわかるとドアを施錠し、「すぐに終わるから、1回やらせてくれ」と言い放ち、女性に抱きつき、力づくで押し倒した。
女性は抵抗したが、力の差が歴然だったため、「今日は生理だから無理。生理が終わってからにしよう」などといって男の気をそごうとした。
しかし、下着を脱がされてしまい、男性器を挿入されそうになったところで、男は女性が本当に生理だったことに気づき、「生理が終わってからだな。今度は別の場所でやろう」といって、下着をはきだした。
女性は容疑者が下着を履いているところを急いで携帯電話で動画撮影すると、携帯電話を男に叩き落とされた。
女性は2階に駆け上がり、1階でズボンを履く容疑者の姿を動画撮影し、2階の部屋に鍵をかけて閉じこり、携帯電話で助けを求めると、男は逃走した。
事件後、女性は男の上司に陳情したが、「同じ釜の飯を食った仲ではないか」などと仲裁しようとした挙げ句、ようやく設置された調査委員会は陳情内容についての調査はおこなわず、ソーシャルメディアに動画を拡散し組織の名声を傷つけたとして女性を非難するなどしたことから、女性は8月29日にラートヤー警察署に被害を届け出た。
親のコネでスキャンダルをもみ消し
加害者の男は精米工場のオーナーの御曹司で、陸軍内で強い影響力をもっており、陸軍に顔を出すことは極めて稀で、チャイナート県にある精米工場で働いているとみられており、同僚らが男の上司に居場所を聞いても、上司が「彼は出張中だ」などと助け舟を出すのだという。
これまでに男は同僚の女性2~3人に対して性的暴行を加えたとみられており、男は「この女をものにした」などと性行為を撮影した動画を職場で見せびらかしたりしていたという。
ある女性は職場で男に後ろから抱きつかれキスをされたりしていたが、あえて被害を訴える女性はいないという。
今回被害にあった女性は、「今回の事件が起き、自殺することも考えたが、家族のサポートを得て何とか立ち直れた。今後、同じ被害を受ける女性がでないよう泣き寝入りせず最後まで戦うと決心した」と語っている。