タイの企業間取引(B2B)における後払い決済(Buy Now Pay Later、BNPL)市場が急速に拡大していることが、最新市場調査レポートで明らかになった。2026年から2030年にかけてCAGR(年平均成長率)17.7%という高水準で成長し、2030年には市場規模が44億6000万ドル(約6700億円)に達すると予測されている。
B2B向けBNPLとは、企業が仕入れや設備購入の際に即時支払いではなく後払いで調達できる仕組みで、中小企業の資金繰り改善や在庫調達の柔軟化に大きく貢献する金融サービスだ。タイ国内では小売業・製造業・食品業界での需要が特に高く、コロナ禍以降のデジタル受発注の普及がこの市場を後押しした。
特に成長が見込まれるのはオンラインチャネルでのBNPL利用で、ERP(企業資源計画)システムやECプラットフォームとの連携が進み、決済フローの完全デジタル化を求める企業ニーズが高まっている。また、BNPLを提供するフィンテック企業は国内外の銀行・信用機関との提携によりリスク管理能力を高めており、貸し倒れ率の管理が市場成熟の鍵となっている。
タイ政府も中小企業のデジタル金融へのアクセス改善を経済政策の優先事項の一つとしており、適切な規制枠組みの整備が市場健全化を促進すると期待されている。
タイのBNPL市場成長を牽引するプレーヤーとして国内フィンテック系企業のほか大手金融機関も参入し、中央銀行(BOT)は利用者保護の規制ガイドラインを2026年内に発行予定だ。