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タイ政府、ドローン運用を厳格化 商用飛行は事前許可制に 5月17日施行

タイ政府は、ドローンの使用に関する規制を強化する。タイ民間航空局(CAAT)は、重量25キログラム以下の無人航空機を対象に、操縦者の訓練、機体登録、飛行計画のオンライン申請を求める新たな規則を発表した。政府広報局によると、規則は2026年5月13日に公表され、同月17日から施行される。商業利用や撮影、測量など、利用範囲が広がるドローン産業に対応しつつ、航空安全と公共空間の秩序を確保する狙いがある。

新規制の中心となるのは「Specific Category」と呼ばれる中リスクの飛行区分だ。対象には、商業目的の飛行、映画・映像撮影、空撮測量、特定区域や制限区域での飛行、通常の飛行条件から外れる運用などが含まれる。これらの飛行を行う場合、操縦者や事業者は事前にリスク評価を行い、CAATの許可を得る必要がある。

操縦者には、CAATが認定する講習の受講が義務付けられる。講習では航空法、航空交通ルール、安全対策、リスク管理などを学ぶ。従来は訓練が必須ではなかったが、新制度では一定期間内に認定講習を修了することが求められる。政府広報局は、対象者は1年以内に講習を受ける必要があるとしている。

機体管理も厳格化される。すべてのドローンは電子システムを通じて登録し、機体に登録番号を明示しなければならない。登録番号は「XX-NN-NN-NNNN」の形式で、機体表面と対比しやすい色で表示し、文字の高さは0.3センチメートルを超える必要がある。違反機体の特定や追跡を容易にするための措置とみられる。

さらに、対象となる飛行では、飛行のたびにオンラインで飛行計画を提出する必要がある。申請時には、飛行目的、日時、飛行エリアまたは座標、操縦者名、保険関連書類などを登録する。CAATは必要に応じて、飛行マニュアル、リスク管理計画、飛行デモンストレーションなどの追加措置を求めることができる。第三者賠償保険については、従来通り1回あたり100万バーツ以上の補償が必要とされる。

許可制度にも変更がある。従来2年だった許可の有効期間は5年に延長され、更新は期限の少なくとも30日前までに行う必要がある。申請手続きは紙ベースから全面的にオンラインへ移行する。2015年規則に基づく既存の許可保有者は、許可期限までは従来の権利を維持できるが、新たなSpecific Categoryに該当する飛行を行う場合は、2026年規則に従う必要がある。

タイでは農業、物流、測量、映像制作、デジタルメディアなどでドローンの活用が広がっている。政府は、デジタル経済や農業イノベーション、クリエーティブ産業を支える技術としてドローン利用を後押しする一方、無秩序な飛行による事故やプライバシー侵害、空域管理上のリスクを抑える姿勢を明確にした。今回の規制強化は、産業育成と安全確保の両立を図る制度整備といえる。

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