タイ食品加工業者協会(TFPA)によれば、高タンパクのエコな食材として食用昆虫の世界市場が急成長している。昆虫食の伝統文化が根付いているタイでは、昆虫ファームが全国に2万か所以上あるといわれており、同協会は「輸出ポテンシャルが高い」と今後の輸出拡大に大きな期待を示している。
タイの2021年1~5月における食用昆虫の輸出量は575トン。金額ベースでは85,346米ドルで、前年同期比29%増の高い伸びを示しているものの、主な輸出先は、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムといった近隣諸国に限られているのが現状。輸出国としては世界17位に甘んじている。
米国の市場調査大手メティキュラス・マーケット・リサーチの調査によると、世界の市場シェアは、1位米国が40.4%、2位アラブ首長国連邦(UAE)が17.9%、3位ドイツが16.9%、4位英国が12.1%、5位オランダが10.9%で、世界の市場規模は2030年までに313万トンに達し、金額ベースでは28.3%増の96億米ドルまで拡大する見通しだ。
同協会では「タイ全国にはコオロギのファームだけで2万か所以上あり、飼育キャパは7,000トンを上回る。昆虫の飼育は、牛、豚、鶏といった代表的なタンパク源の飼育期間と比べて期間が短くて済む。輸出ポテンシャルは高い」と述べている。