タイの金融市場に「新しいルール」が加わる。
タイ証券取引委員会(SEC)は1日、証券口座・投資口座の開設時の本人確認・審査基準を8月16日から大幅に強化すると発表した。
この規制強化は主に、近年急増している「名義偽装口座(バンチー・マー)」の防止とマネーロンダリング対策が目的だ。フィッシング詐欺やオンライン詐欺が社会問題化するなか、証券口座が「資金洗浄の通路」として使われるケースが増えており、当局が規制の網を張りなおす形となった。
具体的な変更点は?
新しい規制では口座開設時の書類審査が厳格化され、本人確認(KYC)の精度が高まる。具体的にはリアルタイムの本人確認システム(e-KYC)の精度向上、定期的な口座使用状況のモニタリング義務付け、疑わしい取引パターンへの自動フラグ機能の強化などが含まれる見通しだ。SECは「正当な投資家への影響は最小限に抑える設計にする」と説明している。
タイで投資する日本人への影響
タイで証券投資を行う外国人投資家にとっても、口座維持の際に追加の本人確認書類を求められるケースが増える可能性がある。特にパスポートの有効期限管理や住所証明書類の更新が必要になることも考えられる。現在タイで証券口座を保有している日本人投資家は8月までに自分の証券会社に確認しておくことをおすすめしたい。詐欺被害が後を絶たない現代において、こうした規制強化は「必要な痛み」だ。