
タイ政府がついに動いた。相次ぐVolvo EX30の自然発火問題を受け、当局が新規の車両登録を即時停止する緊急命令を出した。EV普及推進を謳うタイで、安全性への不信が深刻な問題として浮上している。
マティチョン紙によると、運輸省のシリポン次官は、Volvo EX30の発火事故を受けて陸上交通局に対しVolvo EX30の新規登録を即時停止するよう命令を出した。発火の原因について調査が完了するまで、新規の登録手続きを停止するという強い措置だ。
VolvoがEX30の販売終了を発表、交換対応も
こうした状況を受けてVolvoタイランドは、タイの消費者保護機関、消費者保護委員会への説明を行った。同社によると、EX30はすでに販売を終了しており、現在タイに流通している全車両のバッテリーを交換する対応を5月25日から開始する予定だという。
タイ国内では今月に入りVolvo EX30の自然発火が複数件報告されており、オーナーたちは「充電中に突然発火」「走行中に煙が出た」などの体験をSNSに投稿。瞬く間に拡散し社会問題化していた。
「充電70%超が原因?」調査の焦点
一部の調査では「バッテリーの充電量が70%を超えた状態での発火リスクが高い」との見方が出ている。これが事実であれば、EVの日常的な充電習慣そのものを見直す必要が出てくるため、EV業界全体への影響は計り知れない。
タイ当局は「原因が明確になるまで他のEVユーザーも安全に使用するための注意事項を順守するよう」呼びかけている。タイは2030年までにEV販売比率30%を目標とする「EV30@30」政策を推進中であり、今回の発火問題はその推進にとって大きな逆風となっている。
タイEV市場への影響
タイのEV市場では中国ブランド(BYD、NETA、MGなど)が急速にシェアを拡大している。Volvoはヨーロッパ系ブランドとして「安全・高品質」のイメージで高い評価を受けていただけに、今回の発火問題はブランドイメージへの打撃が大きい。
電気自動車の安全性への不信感が広がれば、EV普及の速度が鈍化する可能性もある。技術の進歩と安全基準の整備が、タイのEV市場の健全な発展に不可欠だ。