タイEV市場、原油高騰で商用車採用が急加、中国系ブランドが7割を独占

タイの電気自動車(EV)市場が原油価格の高騰を追い風に急成長している。市場調査会社の予測によれば2026年の国内BEV(バッテリー式EV)販売台数は12万台を超える見通しで、特に商用EVトラック・バンへの需要が急増。中国系ブランドが市場シェアの70%以上を握る構図が鮮明になっている。

中東情勢の緊迫化によりタイのガソリン価格は1リットル当たり50〜60バーツ(約210〜252円)台まで上昇しており、輸送コスト削減を急ぐ物流・運輸企業を中心にEVトラックや配送バンへの乗り換えが加速している。バンコク・モーターショー(4月上旬開催)でもEV展示ブースに長い行列が形成され、消費者の関心の高さが示された。

商用EV分野では中国系のドンフォン(東風)が「トラクターヘッドKL6x4型」重量EVを新発売し、2026年中に100台、翌年300台の販売を計画する。また、米フェデラル・エクスプレスもタイ国内の配送フリートに新たに8台のEVを追加し、EV保有台数を12台に拡大。2040年のカーボンニュートラル運用目標に向けた取り組みを前進させた。

タイ政府の「EV3.0」「EV3.5」優遇制度(税控除・補助金)が中国メーカーの積極的な進出を後押しし、BYD・SAIC・長城汽車などが現地生産・販売体制を拡大している。一方、日系メーカーはEVシフトへの対応の遅れが指摘されており、タイ政府はバランスある産業育成の観点から「日本・欧州メーカーとの協力も継続したい」との立場を示している。

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