バンコク近郊ノンタブリ県のパーククレット警察署で計159丁の銃が盗難された事件で、タイ警察は10月20日午後、タイ東北部ノンカイ県のラオス国境付近のホテルの一室で、同署に勤務する警察官(42)を窃盗容疑などで逮捕した。
現地メディアの報道によると、容疑者はパーククレット警察署の武器庫を管理する警察官で、銃の入出庫を担当していたが1週間ほど前から署に姿を見せなくなっていた。
容疑者は、タイ国外へ逃亡するため、ノンカイ県でパスポートを申請し20日に受領し、ラオスに入国する準備をしているところをタイ警察により逮捕された。
タイ警察によると、容疑者は容疑を認めており、今年4月ごろから、武器庫に保管されていた銃を1日あたり2~3丁持ち出し、1丁あたり2万バーツで転売したり、質入れするなどして、現金化し、サッカー賭博につぎ込んだと供述しているという。
タイ警察では、容疑者から銃を購入したものに対し、速やかに銃を返却するよう呼び掛けており、返却した場合は罪の減刑などを認める方針を発表した。
20日午後10時ごろ、容疑者から銃を購入した人物から「銃を返却したい」という匿名の電話が警察に入り、バッグに入れられた27丁の銃がバンコク都内ラックシー区にあるポリスクラブの前に放置されているが見つかった。
その他、ノンタブリ県で行われた家宅捜索で銃7丁がみつかっており、今後、行われるバンコクとノンタブリででの家宅捜索により盗難された銃の大部分が回収できるとみられている。
同署では武器庫内の在庫確認を毎月5日に実施していたがこれまで問題が報告されたことはなく、今回の事件を受け、同署の警察署長が20日付で閑職への緊急異動を命じられた。