タイを代表する格安航空会社(LCC)のタイ・エアアジアが、中東情勢に連動した航空燃料価格の急騰を受け、国際9路線の一時運休と複数路線の減便を断行した。観光シーズン真っただ中の「苦渋の決断」が、旅行者と業界に波紋を広げている。
運休路線の全容
タイ・エアアジアとタイ・エアアジアXが発表した主な運休・停止路線は以下の通り。
・スワンナプーム〜ナラティワート(運休)
・ドンムアン〜西安(5月11日〜10月23日)
・香港〜沖縄(5月7日〜10月24日)
・プーケット〜チェンナイ(4月13日〜10月24日)
・プーケット〜コーチン(4月17日〜10月23日)
・ドンムアン〜上海(4月17日〜一時停止)
・ドンムアン〜リヤド(4月14日〜6月30日)
日本路線でも運航便数を大幅削減しており、タイ・エアアジアX全体として日本向け供給座席数が著しく縮小している。
「バレル80ドルが209ドルに——採算が取れない」
タイ・エアアジアの広報担当者は「燃油コストが劇的に上昇しており、一部路線では運航するほど損失が膨らむ構造になってしまった。旅行者の皆様には深くお詫び申し上げるが、経営持続のために避けられない措置だ」と説明。LCCのビジネスモデルは薄利多売が基本だが、ジェット燃料の急騰は原価構造を根底から覆すものであり、運賃を大幅に引き上げれば「格安」のブランドイメージが失われるという板挟みに陥っている。
旅行者への影響と代替手段
突然の運休に戸惑う旅行者からの問い合わせがカスタマーセンターに殺到している。同社は「該当便のチケット購入者には全額返金または代替便への振替を案内している」としているが、代替路線がなく払い戻しのみとなるケースも多い。プーケット発インド路線の利用者には特に影響が大きく、業界全体での「ルートの空白」を埋める解決策が急がれる。