チャンネル登録者数85万人のセレブ系人気ユーチューバーが、株式投資や外国為替取引などの運用資金としてフォロアーから預かった3700万バーツ以上を返却せず行方不明となっている。被害を受けたフォロアーが投資詐欺だと警察に被害届を提出。8月30日までに逮捕につながる情報にかけられた懸賞金が500万バーツまで膨れ上がっている。
現地メディアの報道によると、懸賞金がかけられたのは、ユーチューブ・チャンネル「Nutty’s diary(ナッティーズ・ダイアリー)」を運営するナッティー(29、本名ナタモン・コンジャック)で、ナッティーは「配当は最大35%」「初月プロモーションは配当50%」「毎月配当支払い」などと同チャンネルで謳い、フォロアーから多額の運用資金を集めていた。
しかし、当初は謳い文句通り配当が支払われていたが、「ブローカーが口座を凍結したので出金ができない」と突然インスタグラムに投稿し、今年3〜4月から配当金の支払いは停止されており、ユーチューブの更新もそれ以来されていなかった。
今月、被害者らの一部が警察に被害を届けたことを受け、ナッティーが自身のチャンネルで「逃げも隠れもしない。全額を返却して責任を取る。今、資金集めをしている。迷惑をかけて申し訳ない」と語っていた。
しかし、その後、連絡が取れなくなり、マレーシアへの逃亡が噂になったことから、被害者が相次いで被害届を提出し、現時点で30人以上が被害を届け出ている。
被害者は6000人を上回るとみられていることから今後さらに被害届が増えることが予想されるため、被害総額は3700万バーツを超えるとみられる。
警察によると、ナッティーが出国した記録はないため、タイ国内に潜伏しているか、自然道を使って違法にマレーシアに入国した可能性が指摘されている。
タイの箱入り娘、マレーシアで13歳で結婚 ナッティー波乱の人生
ナッティーがテレビ番組で語ったところによると、ナッティーが幼い頃、実家はカラオケ店を経営しており、月収は200万バーツ。メイドが22人、車が14台あったといい、ナッティーは「靴を自分で履いたことがない」という箱入り娘だった。
そんな箱入り娘に試練が訪れる。実家の事業が倒産。ナッティーは母親と2人で逃げるようにマレーシアに移住。母親はフット・マッサージのデリバリー・サービスで日銭を稼いだ。
ナッティーが13歳の時、転機が訪れる。大富豪から求婚されたのだ。ナッティーは家族の後押しもあり、成人するまで性交渉しないという条件付きで結婚する。
幸せな生活を手に入れたと思ったのも束の間、その約束はあっけなく破られ離婚。タイに舞い戻ることになった。