9月8日午前にタイ東北部コンケン県の宿泊施設で何者かに銃で撃たれ殺害されたタイ人男性(27)の遺体が浴槽内で見つかった事件で、タイ警察は同日午後、バンコク近郊サムットサコン県で水産加工業などを営む男(40)を殺人容疑などで逮捕した。
現地メディアの報道によると、事件当時、容疑者は妻(39)が浮気をしていることを疑い、妻の車にGPSを付け素行を探ろうと試みたが妻にバレて取り外されたところ、妻が外泊。
浮気を確信した容疑者は、妻とのやりとりから予約している宿泊施設を突き止め、コンケン県プーパーマーン郡にあるヴィラに車で移動。
宿泊客を装い数日間張り込んでいたところ、7日、浮気相手と見られる男性を伴った容疑者の妻が隣のヴィラにチェックインした。
容疑者は隣の様子をうかがい男性が屋外にある浴槽に入っているところに乗り込み、男性に拳銃を3発撃ち込み殺害。殺害後、妻が乗ってきた車で妻とともに宿泊施設から逃走した。
発砲の音を聞きヴィラに駆けつけたホテル従業員によると、事件発生当時、手をつないだ2人の男女が「何でもない。車で外に出る」と言い残し現場を後にしたと言う。
翌日、2人はタイ北部ランパーン県で車を運転していているところを警察当局により身柄を拘束され、車の中から殺害に使用したと思われる拳銃が押収された。2人は国外逃亡のためミャンマー国境に向かっていたとみられている。
タイ警察によると、容疑者は大筋で容疑を認めており、動機についてはやきもちによるものとみられているが、容疑者は「妻に殺すよう命じられた」と供述しているもよう。
容疑者は10年前に前妻の夫を殺害し殺人容疑で逮捕されたほか、殺人未遂などで計5回の逮捕歴があるという。