
タイの消費者保護局が、スウェーデン自動車メーカー・ボルボ(Volvo)を民事訴訟で提訴したことが明らかになった。訴訟の理由はEV車の電池(バッテリー)の安全性に問題があるというもので、返金および損害賠償を求めている。
同局によると、タイ国内で販売されたボルボのEV車の一部において、バッテリーに関連する安全上の問題が複数件報告されていた。消費者からの苦情を受けて調査を進めた結果、「販売された製品が安全基準を満たしていない可能性がある」と判断し、民事訴訟に踏み切った。被害を受けた消費者への返金と損害賠償が求められている。
タイ市場では近年、中国系EVブランドを中心に電気自動車の普及が急速に進んでいる一方、バッテリー問題・中古価格の急落・アフターサービスの不備など、多くのEV関連トラブルも表面化してきた。欧州系の高級EVブランドであるボルボへの訴訟は、「高価格帯=安心」という消費者の期待が裏切られたことを示すものとして衝撃を与えた。
タイのEV市場は「普及期の痛み」を経験している。価格・品質・サービス体制のすべてが問われる中、長期的な信頼構築ができたメーカーだけが生き残るだろう。日本の自動車メーカーが「信頼性」で高い評価を維持している理由を、今こそ業界全体が再認識すべき時期かもしれない。消費者は「ブランドより実績」で選ぶ時代になった。
