8月30日午後5時30分ごろ、タイ東部チョンブリ県パーントーン郡にある有名私立学校の駐車場で、小学2年生の女児がスクールバスの中で死亡しているのを学校関係者が発見し、警察に通報した。
遺体となって発見されたのはジフンちゃん(7)で、午後4時30分ごろ、スクールバスの最前列でうつ伏せになり口から血を流し倒れているところを、帰りのバスの準備に来た女性教員により発見された。最前列のシート付近にはジフンちゃんのリュックと水筒がおかれていた。
炎天下、車内に9時間放置される
学校関係者によると、ジフンちゃんは午前7時30分ごろ、スクールバスに乗り、7時25分ごろ学校に到着しており、発見されるまでのおよそ9時間の間、バスに取り残されていたものとみられている。
警察の検死の結果、ジフンちゃんの身体に外傷はなく、熱中症による死亡が確認された。
警察の調べによると、ジフンちゃんが見つかったスクールバスは、午前7時、学校の男性教員(63)が運転し、世話係りの女性教員(29)を乗せ、学校を出発。
児童5人をピックアップ後、ジフンちゃんを乗せ、7人目の児童をピックアップし、午前7時25分ごろ学校に到着した。
- 7:00スクールバス、学校出発
学校教員の運転するスクールバスが世話係りの教員1人を乗せ学校を出発。
- 児童5人をピックアップ
- ジフンちゃんをピックアップ
ジフンちゃんは後部座席の前から3列目に座る。
- 7人目の児童をピックアップ
児童7人を乗せ学校に向かう。
- 7:25スクールバス、学校到着
校舎前で教員3人が見守る中、児童たちがバスから降りる(教育1人はバスに同乗した世話係りの教員)
- スクールバスを駐車場に駐車
運転手がスクールバスを校内にある駐車場に移動し駐車。学校のルールに基づき車に施錠はせず、車のキーは運転席のドアに置く。
- 16:30運転当番の教員がジフンちゃんの死体を発見
帰りのバスの準備をしようと駐車場に行った教員が車内で倒れているジフンちゃんを発見。
明るみにでる学校のずさんな対応
学校到着後、校舎前で教員3人が見守る中、児童たちがバスから降車。バスに同乗していた世話係りの教員は「車内に取り残された児童がいないか首を伸ばしてバスの中を確認した」と供述し、「車内に入ってちきんと確認すれば事故は防げた」と述べ、謝罪した。
また運転手の教員は、「(バスのドアを閉める前に)シートの下を含め、車内を3回確認した上でバスを駐車場に移動した」と供述した。
しかし、学校の監視カメラの映像から、スクールバスから児童が降車した際、車内に児童が取り残されているかを確認した教員は1人もいないことが判明した。
これに対し、両親はジフンちゃんが性的暴行を受けるなどし、事件を隠ぺいするために殺害されたのでは、と学校に対し疑いの目を向け、監視カメラのすべての映像の提出を求めているほか、警察に検死のやり直しを要求している。