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タイ政府、酒類規制を「時間緩和」と「場所規制」で再編 公共空間の秩序維持を明確化

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タイ政府は、アルコール飲料の販売および飲酒を禁止する場所を改めて定める告示を施行した。12日に官報で公表されたアルコール飲料管理委員会の告示は計8本で、道路、鉄道、旅客船の桟橋、バスターミナル、工場、政府機関、国営企業などの管理区域を対象に、酒類の販売または飲酒を禁じる場所を整理した。施行日は同日付。従来の規制を現在の公共空間や交通インフラの利用実態に合わせ、禁止区域と例外を明確にした形だ。

今回の見直しで重視されたのは、公共性の高い場所での飲酒抑制である。道路上や車内での酒類販売を禁じるほか、駅構内や列車内、公共旅客船の桟橋、定期旅客船、バスターミナルなども対象となった。

鉄道については、駅と列車内での販売・飲酒が禁止される一方、バンコク駅構内の特定区域で行われる特別イベントについては、保健相の許可を得た場合などに限り例外が認められる。交通機関での飲酒トラブルや事故リスクを抑える狙いがある。

工場区域も規制対象に含まれた。工場内での酒類販売・飲酒は禁止されるが、酒類製造工場における通常の商取引や、製造工程・品質管理上の試飲は例外とされた。製造現場では安全衛生や労務管理の観点から、就業区域での飲酒禁止を制度面でも裏付ける内容となる。企業にとっては、社内規定や外部業者、イベント運営時のルールを再確認する必要がある。

注目されるのは、国営企業やその他の政府機関が管理・利用する区域、公園などが明確に対象化された点だ。国営企業や政府機関の公共公園では、一般市民の休憩利用という性格を踏まえ、酒類の販売・飲酒を禁じる。政府機関や国営企業の管理区域についても、個人の居住区域、クラブ、伝統行事に伴う宴席など一部例外を除き、飲酒を制限する。これまで解釈に幅があった公的機関の敷地利用について、管理責任を明確にする意図がうかがえる。

タイでは観光振興や消費喚起の観点から、酒類販売時間の規制緩和を求める声が根強い。一方で、仏教団体や保健当局を中心に、飲酒機会の拡大が交通事故や健康被害、公共空間でのトラブルにつながるとの懸念もある。今回の規制再編は、販売時間を柔軟化する議論と並行して、場所については公共性や安全性を基準に線引きを強めるものといえる。

観光客への影響は限定的とみられるが、国営企業や公的機関の敷地内にある商業施設、イベント主催者、交通関連施設のテナントには実務上の確認が求められる。タイ政府は、観光大国としての利便性と、社会秩序・公衆衛生の維持という二つの課題を同時に抱える。今回の告示は、酒類規制を一律に緩めるのではなく、時間と場所を分けて管理する方向へ制度を組み替える一歩となる。

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