おめでとうが銃声に変わった——タイ南部ナコンシータマラート県で2026年4月28日午前3時30分頃、結婚式の会場で突然の銃撃事件が発生した。新郎側と新婦側の招待客の間で口論が勃発し、言葉の応酬は瞬く間にエスカレート。一方の男性が銃を取り出して発砲し、銃撃戦に発展した。少なくとも6人が負傷して病院に搬送された。
深夜の宴席で何が起きたのか
警察の調べによると、事件は結婚披露宴が深夜まで続く中で発生した。アルコールが入った招待客同士が些細なことで衝突。「喧嘩の原因は新郎側と新婦側の間にあった古い因縁だったようだ」と地元警察は語る。双方の親族は以前から対立する地元の若者グループ間に属しており、「顔を合わせれば一触即発の状態だった」。銃撃が始まると会場は一瞬にしてパニックに。招待客は机の下に身を伏せ、あるいは出口に殺到した。
6人の負傷者のうち2人が重傷で、一時は容体が危ぶまれた。幸い命に別状はないとの報告があるが、現場はまさに「血の披露宴」と化した。
「タイの結婚式には銃を持ち込まないで」
タイでは結婚式や葬儀など冠婚葬祭の場での銃撃事件が後を絶たない。過去にも宴席での口論が銃撃に発展し、死者が出たケースが複数報告されている。専門家は「タイ農村部では合法・非合法を問わず銃器の所持が一般的で、感情的な対立が簡単に凶器使用に繋がりやすい」と分析する。
現場から逃走した容疑者は後に警察に出頭。殺人未遂の疑いで起訴される見通しで、同行した仲間2人も共謀の疑いで調査を受けている。地元住民は「こんな幸せな場所で、なんという悲劇だ」と口々に嘆いた。
タイの「祝宴銃撃」はなぜなくならないのか
タイ政府は銃器の厳格な管理を求める声に応じ、公共の場への持ち込みを禁じる規制を強化してきた。しかし違法な銃の流通は根絶されておらず、特に地方部では「身を守るための銃」として所持するケースも多い。今回の事件は、タイの銃器問題の深刻さを改めて浮き彫りにした。