武尊がロータンをR5TKOで撃破 「ONE SAMURAI 1東京」

「タイのアイアンマン」が、東京の舞台で打ち砕かれた——4月29日夜、東京・有明アリーナで開催された「ONE SAMURAI 1」のメインイベントで、日本のキックボクサー武尊(たける)がタイが誇るムエタイ世界王者ロータン・ジットムアンノンを5ラウンドTKOで降し、ONE暫定フライ級キックボクシング世界王座を獲得した。そして武尊はこれを引退試合として、リング上で涙を流した。

2:22——あの80秒の「復讐」を果たした瞬間

5ラウンド2分22秒、武尊の連打がロータンをグラつかせ、レフェリーが試合を止めた。2025年3月の「ONE 172」でロータンに80秒TKO負けを喫した武尊にとって、この勝利は単なるベルト獲得を超えた意味を持つ。「あの日からずっとこの試合のことだけを考えてきた」。試合後、武尊は涙をこらえながらそう語った。

試合は序盤からハイテンションの打ち合いとなった。ロータンは持ち前の打たれ強さと威圧感で前に出続けたが、武尊は的確なジャブと左ミドルキックでリズムをコントロール。5ラウンド開始直後に武尊が放った右フック→左ストレートの連打が完全にヒット。ロータンの動きが止まった瞬間、約1万5000人の観衆が総立ちになった。

ロータンの「初敗北」——タイ国内に衝撃

ロータンにとっては初めてと言っていいほどの完敗。タイ国内では「まさか」の声が広がり、各メディアが速報で伝えた。2025年の「ONE 172」での劇的KO勝利から一転、リベンジを許した形だ。「武尊は確実に成長していた。次戦で必ずタイトルを取り返す」——試合後のロータンのコメントに、タイファンは複雑な思いを抱いた。

武尊の引退宣言——日本格闘技界に大きな波紋

試合後、武尊は「この試合をもって現役を引退します」と発表。日本の格闘技ファンにとっては喜びと悲しみが混在した夜となった。キャリア76戦(67勝6敗3無効試合)を誇る日本格闘技界のスーパースターが、最高の形でリングを去った。

ONE Championshipのチャトリ会長は「武尊のキャリアは格闘技の歴史に刻まれるべきものだ」とSNSで絶賛。試合の模様は日本ではフジテレビで生中継され、視聴率は15%を超えたとの推計も出ている。タイのムエタイ界はロータンのリベンジに向けて動き出すだろう。しかし武尊という伝説は、東京の夜空に永遠に輝き続ける。

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