【パタヤ発・国際ロマンス詐欺を壊滅!】ナイジェリア人3人とタイ人女性が共謀——「愛」を餌に銀行口座を乗っ取る手口

「あなたのことが大好きです。一緒に投資しませんか——」。パタヤ中心部のホテルを拠点に活動していた国際ロマンス詐欺グループが、警察の合同捜査によって壊滅した。4月28日、ナイジェリア国籍の男3人とタイ人女性1人が逮捕され、被害者から騙し取った金の流れを調べる「ミュール口座」の実態が明らかになりつつある。

「ミュール口座(バンチー・マー)」という巧妙な仕組み

今回の詐欺グループが使っていた手口は、いわゆる「ミュール口座(Mule Account)」を活用したものだ。これは、一人の名義で開設された銀行口座を別人が使って不正送金を受け取る手法で、摘発を困難にするために組織的に用いられる。グループは交流アプリやSNSを通じて被害者に接触し、恋愛関係を装って信頼を獲得。その後、「共同投資」の名目で金を送らせ、ミュール口座を経由して資金を回収する流れになっていた。タイ警察第2管区の捜査官によると、グループは長期にわたって同様の手口を繰り返しており、複数の被害者から少なくとも数十万バーツを騙し取ったとみられる。

タイ人女性の役割——口座開設の「窓口」として

逮捕されたタイ人女性はグループ内で口座開設役を担っていたとみられる。タイの銀行口座は外国人には開設が難しいため、タイ人を「窓口役」として取り込む手口が横行している。女性は自分の口座を詐欺に使用することへの認識があったとされ、共犯として起訴される見通しだ。

パタヤが「詐欺師のたまり場」に?

パタヤでは近年、外国人による組織犯罪の摘発が増加している。観光地として外国人が多く出入りするため、詐欺グループが「カモフラージュ」として利用するケースが後を絶たない。地元警察は「観光客が多い地域こそ、犯罪組織にとって都合がいい」と警戒感を示す。

ロマンス詐欺の被害者は、若者から高齢者まで幅広い。特にコロナ以降、オンライン交流が急増したことで被害が拡大傾向にあり、タイ警察サイバー犯罪対策局は「知らない相手からの投資勧誘は必ず疑え」と繰り返し呼びかけている。今回の逮捕で、被害者への賠償が実現するかどうかは不透明だ。「愛」を武器にした詐欺は国境を越え、そしてパタヤという街の影の側面を改めて浮き彫りにした。

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