燃料高騰でタイ物流が悲鳴!輸送量が前年比15〜20%減、値上げもできず八方塞がり

タイ陸運連合会(Land Transport Federation)は、ディーゼル燃料の価格高騰と維持費の上昇を受けて、タイ国内の輸送量が前年同期比で15〜20%も落ち込んでいると発表した。値上げしたくてもできない——そんな八方塞がりの状況が、物流業界全体を苦しめている。

燃料費が「最大の経費」——それが跳ね上がった

陸上輸送業者にとって、燃料費は総経費の中で最も大きな割合を占める。タイではディーゼル価格が中東情勢の緊張を背景に上昇を続けており、中小の輸送業者ほど打撃が大きい。多くの業者は「これ以上の運賃値上げを行えば、荷主に逃げられて競争力を失う」と判断し、コスト増を自分たちで吸収せざるを得ない状況に追い込まれている。

消費者物価への転嫁リスク

輸送コストが上昇すれば、農産物・食品・工業製品の国内流通コストも上がり、最終的には消費者価格に転嫁される。これはインフレをさらに押し上げ、生活費を圧迫する悪循環につながりかねない。アナリストは「輸送業の苦境は、タイ経済全体の体温計でもある」と指摘している。

業界が政府に緊急支援要請

陸運連合会はタイ政府に対し、燃料補助金の拡充、高速道路使用料の免除・引き下げ、EV(電気自動車)トラック導入への低金利融資などの緊急支援策を求めている。政府が5月5日に承認した400億バーツの緊急借入計画の一部はエネルギー転換に充てられる方針だが、短期的な輸送コスト低減には直結しない見通しだ。業界関係者は「まず今、目の前の燃料代をどうにかしてほしい」と切実な声を上げている。

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