女性警官がタイ人女性を2年以上軟禁・虐待、上院議員の妻だと脅迫

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タイ西部ラチャブリ県で、女性警官がタイ人女性(32)を2年にわたり自宅に軟禁し虐待するという事件が起こった。タイ人女性は、アルコールスプレーを顔や頭に吹きかけ火を付けられ火傷していたほか、スチール定規で顔を殴打され鼻骨が折れているなど、満身創痍で軟禁先から脱出。テレビ番組に助けを求め、8月18日、タイ警察に被害を届け出た。

現地メディアの報道によると、被害にあったタイ人女性は2016年に女性警官が経営するコーヒーショップで店員として働いていた際に女性警官に薦められ、2017年、女性警官のコネで陸軍に入隊。

女性警官の根回しにより、2020年からは女性警官の家に駐在する武官として、住み込みで家事全般を担当することになった。

被害女性によれば、住み込みで働き始めた初めの1年は、外出させてもらえないことと、陸軍からの給金を没収されていたことを除けば、特に問題はなく2人で生活をしていたという。

1年経過したころから、女性警官から言葉遣いを叱責されたり、家事のやり方が気にいってもらえない際に罰を受けるようになったという。

当初は「顔を平手打ちする」といった罰だったが、「木製ハンガーで殴る」「鉄パイプで頭を殴る」「スタンガンを押し付ける」「熱したヘヤアイロンで手を挟まれる」「スチール定規で顔を殴られ鼻が折れても病院に行かせてもらえない」「アルコールスプレーを顔や頭にかけられライターで火を付ける」など、だんだんエスカレート。

また、被害女性は陸軍からの給金を全額、女性警官に没収されていただけでなく、電気代水道代を負担させられたほか、女性警官の食事代も出していたため、所有していた車、ノートブック、携帯電話を売ったほか、家族にお金を借りて、それらの支払いにあてていたという。

この半年間で我慢の限界に来ていた被害女性は、女性警官に家に帰らせてくれるよう懇願すると、出ていく条件として除隊することを強制されたほか、入隊させるために費やした経費とその利息9万1500バーツを払うよう要求されたという。

被害女性は家族に用立ててもらい女性警官の要求額を支払ったが、それでも解放してもらえず、「逃げ出したら家族の命が危ない。自分は上院議員の妻だ」などと脅され、虐待が以前よりひどくなったことから、被害女性は命からがら脱出し、テレビ番組に助けを求めたという。

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