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タイ中銀と証券取引委、ステーブルコイン規制を強化へ 2027年2月に本格適用

タイ証券取引委員会とタイ中央銀行は、ステーブルコイン取引をめぐる規制枠組みを強化する方針を明らかにした。マネーロンダリングや国際送金回避などの技術犯罪への悪用リスクを低減する狙いで、両機関は年内をめどに具体的な規則を発表する見通しだ。

タイ証券取引委員会は、デジタル資産関連事業者との協議会を通じて、USDTやUSDCなど米ドル連動型ステーブルコインの取引量が近年著しく増加していることを踏まえ、金融技術革新の促進と、それに伴うリスク管理の両立を図る考えを示した。2026年5月には証券取引委員会、中央銀行、マネーロンダリング防止事務局、中央捜査局(CIB)の4機関が連携し、資金の流れや不審な取引パターンに関する情報共有の合同作戦(ジョイント・オペレーション)を実施した実績もある。

トラベルルール導入、2027年2月に本格適用へ

証券取引委員会のチョームクワン・コンサクン副事務局長は「今回の協議は、ステーブルコイン取引に関する規制の高度化に向けた証券取引委員会、中央銀行、事業者間の緊密な連携を反映するものだ。マネーロンダリングや技術犯罪、国際送金回避のリスクを防ぎつつ、事業実態に即した実効性ある規制枠組みを推進していく。年内には具体的な基準を明確化したい」と述べた。

中央銀行金融市場担当のピムパン・チャルンクワン副総裁も「中央銀行は金融システムの安定性と信頼性の維持を重視しており、証券取引委員会や関係機関と連携してステーブルコイン取引の規制を高度化し、マネーロンダリングや国際送金回避のリスクを低減する施策を進めていく」とコメントした。当局は今後、デジタル資産の移転に関わる取引主体の情報を把握・照会できる「トラベルルール」の基準を2026年8月中に策定し、2027年2月までに本格運用に移す方針を示している。

業界団体も足並みをそろえ、高リスク顧客の審査基準を統一へ

タイ・デジタル資産事業者協会(TDO)のニラン・フーワッタナーヌクン会長は「TDOは信頼性、透明性、強固なガバナンスを基盤にタイのデジタル資産業界の発展に努めており、証券取引委員会・中央銀行と連携し、マネーロンダリングや技術犯罪の防止に取り組んでいく。特に高リスク顧客に対する強化デューデリジェンス(EDD)の実施基準を業界全体で統一し、リスク管理の実効性を高め、利用者の信頼確保と持続可能なエコシステムの構築を後押ししたい」と述べた。

証券取引委員会はこれまでも、顧客確認(KYC)の高度化、1日あたりの出金限度額を設定する顧客プロファイリング、高リスク取引の追加審査、疑わしい口座やウォレットの監視といった対策を段階的に導入してきた。今回の中央銀行との連携強化は、コールセンター詐欺や投資詐欺などデジタル資産を悪用した犯罪が後を絶たない現状を踏まえた措置であり、タイ国内の暗号資産市場の健全な発展に向けた重要な一歩となりそうだ。

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