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フィッチがタイの格付け見通しを「安定的」に上方修正、BBB+据え置き

国際格付け会社フィッチ・レーティングスは、タイの長期外貨建て発行体格付けについて、見通しを従来の「ネガティブ」から「安定的」に引き上げたと発表した。格付け自体は「BBB+」に据え置かれた。

今回の見通し改善は、タイ経済がこれまで抱えてきた下振れリスクが一定程度後退したとの評価を反映したものとみられる。バンコクの市場関係者の間では、対外的な信認回復につながる材料として受け止められている。

財政・対外収支の安定を評価

フィッチは見通し変更の背景として、タイの財政運営や対外収支の安定性を挙げているとみられ、政府の経済対策や輸出関連指標の底堅さが一定の評価を得た形だ。格付け見通しの改善は、政府や企業が海外で資金調達を行う際の信用コストの低下にもつながり得る。

タイ政府関係者は、今回の評価を経済政策運営の成果の一つと位置づけ、引き続き財政規律の維持と成長戦略の両立を進める方針を示している。

他の格付け会社の動向にも注目

タイの信用格付けをめぐっては、スタンダード&プアーズ(S&P)やムーディーズなど他の主要格付け会社も定期的に評価を見直しており、市場関係者は今後の各社の判断にも注目している。バーツ相場や国債利回りへの影響は限定的とみられるが、対外的な投資マネーの流入動向を左右する要素として市場では注視が続く。

タイ財務省は、今回の見通し改善を受けても財政健全化の取り組みを緩めることなく、中長期的な経済の安定成長を目指す姿勢を強調している。

タイ経済、下振れ懸念が一服

タイ経済を巡っては、これまで家計債務の高止まりや輸出の伸び悩みなど、複数の下振れ要因が指摘されてきた。今回のフィッチの見通し改善は、こうした懸念が一定程度和らいだとの評価が背景にあるとみられ、バンコクの金融関係者の間では「最悪期を脱しつつある」との受け止めも出ている。

格付け見通しの改善は、政府系機関や大手企業が海外市場で債券を発行する際の調達コストの低下にもつながる可能性がある。タイ政府は今後、インフラ投資や観光振興策などを通じて、経済成長率の底上げを図る方針を掲げている。

一方で、タイ経済には依然として高齢化の進行や製造業の国際競争力低下といった構造的な課題も残されている。エコノミストの間では、今回の見通し改善を一時的な安心材料と捉えるのではなく、構造改革を着実に進める契機とすべきだとの指摘も出ている。

市場では、今回の発表を受けてタイ国債の利回りにわずかながら低下圧力がかかったとの見方もあり、今後の資金フローへの影響が注目されている。

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