中東ホルムズ海峡での船舶攻撃報告やサウジアラビアの主要パイプライン運用停止を受け、国際原油価格が節目の1バレル=100ドルを突破した。エネルギー輸入国であるタイの経済にも影響が及ぶ懸念が広がっている。
13日の市場では、代表的な指標であるブレント原油が100ドル台に乗せたほか、米国産WTI原油も1バレル=100.05ドルまで上昇。前週比では8%以上の急騰となった。値上がりの引き金となったのは、ホルムズ海峡での船舶への攻撃報告に加え、サウジアラビアが空爆被害を受けて主要な「東西パイプライン」の運用を停止したことだ。さらにイエメンの武装組織フーシ派が紅海の要衝バブエルマンデブ海峡での勢力を拡大させていることも、供給不安に拍車をかけている。
輸入依存のタイ経済に圧力
タイは原油の大半を輸入に頼る構造で、国際価格の高騰は国内のガソリン・軽油価格や物流コスト、ひいては食品や日用品の価格にまで波及しかねない。専門家の間では「エネルギー費用の上昇が経済全体への圧力を強める」との懸念が示されており、米国では既にディーゼル価格が過去最高値を更新したとも伝えられている。
タイ政府はこれまでも国際的な燃料高騰局面のたびに燃料税の調整や補助金投入で国内価格の急騰を抑えてきた経緯があり、今回の情勢が長期化すれば同様の対応を迫られる可能性がある。
中東情勢の行方が焦点
ホルムズ海峡とバブエルマンデブ海峡は、いずれも世界の原油輸送における戦略的な要衝だ。両海峡がともに不安定化すれば、世界の原油供給の約7%、国際貿易の約12%に影響が及びかねないとの指摘もある。
タイにとっても対岸の火事では済まされない今回の中東情勢。今後の推移次第では、家計や企業活動への影響が本格化する可能性があり、政府・企業双方が事態の推移を注視している。