バンコク北部ノンタブリ県バーンブアトーン郡のコンドミニアムで5月2日夜、オンライン販売業を営み、モデルとしても活動していた25歳女性が死亡しているのが見つかった。現場の状況から警察は殺人事件とみて捜査。女性と同居していた33歳の交際相手の男性が事件後に連絡を絶っており、最重要参考人として行方を追っている。
通報を受けたバーンブアトーン署の捜査員らが、同日午後7時ごろ、同郡バーンラックパッタナー地区の8階建てコンドに急行した。遺体が見つかったのは4階の一室。死亡していたのはパンニットスダーさん、通称「ドリーム」さん。部屋のベッド脇でうつぶせの状態で倒れており、頭部には枕2個が重ねられていた。室内は物が散乱し、争った形跡も疑われる状態だった。
現場からは、交際相手のニティランさんが書いたとみられる日記も見つかった。そこには「誰かが自分を襲おうとしている」といった趣旨の記述や、飼い猫、財産についての言及があったという。2人は約5年にわたり事実上の夫婦として暮らしていたとされる。
捜査関係者によると、防犯カメラには4月30日午後4時32分ごろ、男性が1人でコンドを出て、赤い乗用車で走り去る姿が記録されていた。その後、男性とは連絡が取れなくなっている。警察は、女性の死亡推定時刻もこの前後とみて、男性の所在確認を急いでいる。
男性の父親は、息子に精神疾患があり、服薬を拒むこともあったと説明。日ごろから「誰かに命を狙われている」「食事に毒を盛られる」と不安を口にしていたという。一方で警察は、精神疾患の有無については家族側の説明にとどまるとして慎重に確認を進めている。
バーンブアトーン署長は、現段階で男性が最も重要な容疑対象だとし、法医学機関による死因確認を進めたうえで、殺人容疑で逮捕状を請求する方針を示した。華やかなモデル活動とオンライン販売で日々を送っていた若い女性の命を奪った密室の悲劇。警察は、姿を消した交際相手の足取りを追い、事件の全容解明を急いでいる。