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象が高圧電線を鼻で引っ張って感電死!「象が増えすぎて田畑も命も守れない」と地元住民が悲鳴

象は神聖な動物だ。タイではそう信じられている。国旗にも描かれ、国民の誇りでもある。しかし、その象が「命取り」になる日が来るとは——。

タイ大手新聞が5月26日に一斉に報じたこの出来事は、タイの野生象問題の深刻さを改めて突きつけた。タイ中部〜北部の農村地帯で、野生の象が森から出てきて高圧電線の電柱付近に近づき、鼻(長鼻)で電線を引っ張ったとたん、高圧電流を受けて命を落としたのだ。

「長鼻」が高圧電線に触れた瞬間

現場周辺の住民によると、問題の象は数日前から集落の周辺を徘徊していた。深夜から早朝にかけて畑に現れ、作物を食い荒らすこともあったという。

この日、象は電柱付近まで近づき、好奇心から(か、食べ物を探していたのか)電線に鼻を伸ばした。その瞬間、高圧の電流が象の体を貫き、象は倒れ込んだ。現場に駆けつけた住民は、横たわった巨大な体に絶句したという。

「かわいそうだが、次は人間がやられるかもしれない」と一人の農民は語った。

「象がいっぱいで怖い」——農村部の本音

タイの野生象は法律で厳重に保護されており、傷つけることも追い払うことも基本的には禁じられている。ところが、生息地の減少と個体数の回復によって、象が人間の生活圏に入り込むケースが急増しているのだ。

農作物の被害は毎年深刻だ。電柵で囲っても、象はそれを壊して入ってくる。政府は「象との共生」を訴えるが、現場の農家には「共生どころか共倒れだ」という声もある。

今回のような「電線感電死」は、象にとっても悲劇だが、人間側も決して安全ではない。「次は人が感電するかもしれない」という恐怖が地域住民の間に広がっている。

タイの「象問題」が映し出す現実

タイ国立野生動物保護局によると、タイの野生象の数は現在約4,000頭。数十年前に比べると回復傾向にある。しかし生息できる森林は減り続けており、象が農村に出没する頻度は年々高まっている。

「象が増えるのはいいことだ」という原則論と、「増えすぎて怖い」という現場の声のギャップ——この問題には、簡単な答えがない。

一頭の象が高圧電線に触れて命を落とした。その事実が示しているのは、タイの野生動物保護と農村住民の安全のどちらを優先するかという、社会全体が突き付けられた問いでもある。

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