タイ首相、南部マレーシア国境にフェンス設置を承認 密輸・越境テロ対策

タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相は4月20日、南部ナラティワート県のマレーシア国境沿いに安全フェンスを設置する計画を原則承認した。密輸、不法越境、分離主義勢力の活動を防ぐための措置で、軍・警察・税関が連携する総合的な国境管理体制が整備される。

——計画の対象はナラティワート県のタックバイ地区とウエン地区。タイとマレーシアの国境に流れるコーロック川を横断する密輸ルートをふさぐ目的で、金属ワイヤーフェンスと監視設備を設置する。費用は政府の一般予算から拠出され、事前に地元住民への説明会を実施してから工事に入る方針だ。

タイ南部は長年、分離独立を目指すイスラム系武装組織によるテロ活動や、麻薬・武器密輸が問題となってきた。アヌティン政権は今年2月の総選挙勝利後に「南部治安強化」を政策の最優先課題のひとつに掲げており、フェンス計画はその具体策のひとつとなる。

一方、マレーシア側の住民や地元NGOからは「国境を隔てる家族が分断される」「正規の生活圏が損なわれる」との懸念も示されている。タイ当局は「合法的な往来は妨げない」と強調しつつ、近隣住民との対話を継続する姿勢を見せている。

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