
タイの大手小売企業セントラル・リテール・コーポレーション(CRC)は8月7日、傘下のセントラル・フード・リテール(CFR)を通じて、日本のイオングループ傘下でスーパーマーケット「マックスバリュ」をタイ国内30店舗で展開するイオン(タイランド)の全株式を取得する契約を締結したと発表した。買収完了後は全店舗をセントラル傘下の「トップス」ブランドに転換する。
CRCのスティサーン・チラティワット最高経営責任者(CEO)が証券取引所に提出した文書によると、CFRはイオン(タイランド)の発行済み株式100%を取得する。イオン(タイランド)の登録資本金は8億9000万バーツで、買収資金には自己資金を充てるという。
90万人の新規顧客基盤を一挙に獲得
今回の買収により、CFRは戦略的な立地にあるスーパーマーケット網を一気に拡大するとともに、既存の90万人を超える顧客基盤を即座に獲得できる。あわせて、マックスバリュが保有していた土地の権利や、そう菜など調理済み食品を製造する加工センターも取得することになり、CFRの即食(レディ・トゥ・イート)商品分野の生産・開発能力を底上げする効果が見込まれるという。
買収は契約に定められた前提条件が満たされ次第、完了する見通し。完了後、CFRは小売のノウハウを生かして各店舗の効率を引き上げつつ、全店舗をブランド「トップス」へと転換し、CFRの店舗網に統合していく方針だ。
タイ小売市場での再編が加速
タイの小売業界では近年、大手グループによる店舗網の統合や再編が相次いでいる。セントラルグループは食品スーパー事業の強化を経営戦略の柱の一つに位置づけており、今回の買収もその一環とみられる。日系スーパーがタイからの事業撤退・縮小に動く一方、タイ資本の大手小売企業が地場の店舗網を吸収する動きは今後も続くとみられ、タイの食品小売市場における競争構図に一段と大きな影響を与えそうだ。