
タイ株式市場が「DELTAショック」に見舞われた。時価総額でタイ市場最大の電子部品大手デルタ・エレクトロニクス(DELTA)が発表した2026年第2四半期決算が市場予想を大幅に下回り、7月27日の株価は前日比5.86%安の289.00バーツに急落。SET指数を約17.82ポイント押し下げ、指数は午前終値で1,632.48(前日比11.91ポイント、0.72%安)まで沈んだ。
皮肉なことに、決算そのものは「増収増益」だった。売上高は651億9100万バーツで前年同期比46.5%増。AI・データセンター向け電源機器の需要が追い風となった。しかし純利益は60億7500万バーツと前年同期比31.3%増ながら前四半期比では33.1%の減益で、市場コンセンサスを約30%も下回った。
利益を圧迫した「4つの重し」
減益要因は、原材料不足によるコスト増、在庫引当の積み増し、親会社へのロイヤルティー支払いを含む販管費の急増(前年同期比88.8%増)、OECDの国際最低課税「第2の柱」に伴う税負担の計上だ。粗利率は前四半期の31.7%から26.8%へ低下した。
DELTAの時価総額はSET全体の約18.5%を占めるため、同株の急落は指数全体を直撃する。クルンシー証券は「株価は依然として過大な期待を織り込んでいる」として投資判断「リデュース(縮小)」を維持し、2027年目標株価を265バーツに設定した。
資金は内需大型株へ
同証券は、DELTAから流出した資金が銀行、通信、発電、ホテル、病院といった大型内需株に向かう可能性を指摘する。年初来77%高と急騰してきたAI相場の看板銘柄だけに、期待と現実のギャップが試される局面だ。チップ不足とコスト高が第3四半期も続けば、業績予想の下方修正リスクもくすぶる。