タイ財務省は、自然災害の被害を受けた世帯を対象とした新たな保険制度の準備を進めている。全国の300万世帯を対象に、最大7.5兆バーツ規模の保障を提供する計画で、近年頻発する洪水や土砂崩れなど自然災害への備えを強化する狙いがある。
タイでは雨期になると各地で洪水被害が相次ぎ、住宅や農地に深刻な影響を及ぼすケースが後を絶たない。今回の制度は、こうした被災世帯の生活再建を金銭面から支援する目的で検討されているという。
全国規模の保障制度に
財務省関係者によれば、対象となるのは全国の低所得世帯を中心とした約300万世帯。制度が実現すれば、災害発生時に迅速な保険金の支払いを受けられる体制が整うことになる。従来、被災世帯への支援は政府の緊急予算による一時金給付が中心だったが、保険制度化によってより安定的かつ予測可能な支援の枠組みを構築する狙いがあるとみられる。
財政の専門家は「7.5兆バーツという規模は極めて大きく、民間保険会社との共同引き受けや、政府による再保険の仕組みが不可欠になるだろう」と指摘する。
頻発する自然災害が背景に
タイ気象局は今月4日から7日にかけて、全国的に激しい大雨が続く見通しを示しており、複数の県で土砂崩れへの警戒が呼びかけられている。こうした状況を踏まえ、政府としても災害リスクへの備えを制度面から強化する必要性が高まっている。
SNS上では「毎年洪水で家が浸水する地域の人にとっては朗報」「保険料の負担がどうなるのか気になる」といった反応が見られた。制度の詳細な設計や財源については今後、関係省庁による協議が本格化する見通しだ。
気候変動の影響で自然災害の頻度や規模が増す中、タイ政府の対応が国民生活の安定にどうつながるか、今後の制度設計に注目が集まる。