タイ証券取引所(SET)に上場するプリント基板(PCB)メーカー、KCEエレクトロニクス株が9月11日、市場の思惑買いで急伸した。テスラのヒューマノイド型ロボット向け部品の受注観測が引き金となった。
一時9.83%高、64.25バーツまで上昇
市場関係者によると、KCE株は同日午前10時18分時点で前日比5.75バーツ(9.83%)高の64.25バーツまで上昇し、取引高は20億8883万バーツに達した。値上がりの背景には、KCEがテスラ向けにプリント基板(PCB)や高密度配線板(HDI)を供給する可能性があるとの報道が浮上したことがある。テスラが開発を進めるヒューマノイド型ロボットの部品供給網に、タイ企業が組み込まれるとの見方が投資家の関心を集めた。
証券会社「正式発表はまだ」も強気維持
この観測についてクルンシー証券は「現段階ではKCE側からの正式な確認はなく、受注の有無や規模も不明確だ」と注意を促した一方、「この情報自体がKCE株の投資家心理に強気的な影響を与える可能性はある」と分析。同社は目標株価68バーツを掲げ、現在の株価にはなお上昇余地があるとして「買い推奨」を維持しているという。
SET指数全体は中東情勢を警戒し軟調
一方、この日のタイ株式市場全体は中東情勢の緊迫化による原油高への警戒感から軟調な展開となり、外国人投資家と証券会社(プロップ勘定)が合計約36億バーツを売り越し、SET指数は前日比11ポイント安で取引を終えた。個別銘柄でKCEのような急伸が見られる一方、市場全体としてはリスクオフの空気が支配的だった。
投資家の間では「テスラ関連というだけで値動きが過熱しやすい。正式発表を待ちたい」との慎重な声も出ており、今後の会社側の対応が注目される。