タイ政府が策定を進める電力開発計画「PDP2026」が最終段階に入り、データセンター需要の急増を見据えた再生可能エネルギー比率の大幅引き上げが、証券市場で発電関連株への追い風として注目を集めている。
PDP2026では、現在およそ51%とされる再生可能エネルギーの比率を、60~80%程度、最終的には70%程度まで引き上げる方向で検討が進んでいるという。背景には、AIやクラウドサービスの拡大に伴うデータセンター向け電力需要の急増がある。
GULF、GPSC、GUNKUL、BGRIMに直接的な恩恵
証券アナリストの間では、再生可能エネルギー関連資産を多く抱える発電会社が直接的な恩恵を受けるとの見方が広がっている。具体的な銘柄としては、GULF、GPSC、GUNKUL、BGRIMの4社が挙げられている。UOBケイヒアンのアナリストは「再生可能エネルギー資産を持つ企業が恩恵を受ける」と指摘し、別の証券会社のアナリストは「GPSCは天然ガス発電の面で最も有利な立場にある」との見方を示した。
このほか、工業団地大手のWHAやアマタもDirect PPA(電力購入契約)制度を通じた恩恵が見込まれるとされ、QTC、ILINK、ALTといった通信・スマートグリッド関連銘柄も物色対象に挙がっている。小型原子炉(SMR)についても導入容量が2400メガワットから最大4000メガワット規模へ拡大される可能性があり、GPSCやRATCHにとって追加の好材料になるとの声もある。市場では、データセンター向け電力需要という新たなテーマが、従来の発電株の評価軸そのものを塗り替えつつあるとの見方も出ている。
タイ経済のデジタル化がもたらす新たな投資テーマ
データセンター誘致はタイ政府が掲げる経済のデジタル化戦略の柱の一つで、安定した電力供給体制の整備は避けて通れない課題だ。今回のPDP2026を巡る動きは、タイ株式市場における新たな投資テーマとして、しばらく物色が続く可能性がある。
もっとも、原子炉容量の拡大など一部の計画はまだ検討段階にあり、正式決定までの過程で内容が変わる可能性もある点には留意が必要だ。