
中国系自動車メーカーの「MG(上汽名爵)」は2026年6月17日、タイ市場向けの新型コンパクト電気自動車「MG URBAN」を正式発売した。同日からタイ国内の工場でも生産ラインが本格稼働し、一部グレードについては即日引き渡しが可能だという。タイの急成長するEV市場をめぐり、中国系ブランドの新製品投入が続く。
MG URBANはタイ・アジア市場をターゲットに開発された都市型コンパクトEVで、全長4メートル以下のボディに最新のバッテリーシステムを搭載。1回の充電で400キロメートル以上の走行が可能(WLTCモード測定値)で、急速充電対応により30分で80%まで充電できる。価格は下位グレードで89万バーツ(約373万円)からとなっており、タイ政府の輸入EV優遇税制の適用対象にもなっている。
タイ工場での現地生産が競争力の鍵 即日引き渡しで差別化
MG URBANの最大の特徴は、タイ国内の自社工場(チョンブリー県)で生産されている点だ。現地生産により輸入関税を大幅に低減でき、他の中国系EVブランドと比べて競争力のある価格設定が実現した。さらに生産ラインが即日稼働したことで、他ブランドが「受注から数ヵ月待ち」という状況の中、「在庫車として今日引き渡せる」という強みも持つ。発表イベントにはMGタイランドのCEOをはじめ多数のディーラー関係者・メディアが集結。試乗会も同日実施され、「コンパクトながら室内空間が広く、加速もスムーズ。価格帯を考えれば十分な出来栄え」と好評価を得た。
タイのEV市場は激戦区 中国勢が競争激化
タイのEV市場は近年、BYD、NETA、GWMなど中国系ブランドが次々と参入し、激しい競争が展開されている。2025年の国内新車販売台数に占めるEVの比率は約15%まで上昇しており、2030年までに30%を目指すタイ政府の「EV30@30」政策の後押しもあって市場は急拡大中だ。一方、EV先行各社の収益悪化や中国本国でのメーカー淘汰も相次いでおり、「タイのEV市場に進出してから撤退する企業も今後出てくる可能性がある」との指摘もある。MG URBANがこの激戦市場でどこまで浸透できるか、注目が集まっている。