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タイ下院の汚職委員会、地方公務員の採用試験めぐり90億バーツの資金の流れを指摘

タイの地方自治体で公務員になるには、いくら必要なのか。その答えとして提示された数字が、90億バーツだった。

8月20日午後3時、タイ下院の汚職防止・是正委員会が記者会見を開いた。委員長を務めるアーサポン・サンナイトリポップ議員(プームジャイタイ党、シーサケート県選出)が明らかにしたのは、2568年度(2025年度)の地方自治体職員採用試験をめぐる不正の全体像である。委員会は、試験に関連して90億バーツを超える資金の流れを確認したとしている。

前払いと、採用後の追加請求

不正の手口は二段構えだった。まず受験前に前払い金を集める。そして採用が決まった後、さらに追加で請求する。合格という結果を人質に取る構造である。

関与が疑われる受験者グループは100を超え、そのうち40から60のグループ間では資金の明確なつながりが判明したという。委員会は、採用試験の32の段階すべてにおいて体系的な不正が発生していたと指摘した。資金の追跡にはマネーロンダリング対策局(AMLO)が加わっている。

6つの改革提案

委員会が政府に提出した提案は6項目にわたる。関係者全員への民事・刑事・行政手続きの開始、地方自治体職員制度そのものの見直しまたは廃止の検討、汚職に関与した者を生涯にわたり公務から締め出すブラックリスト制度の導入、複数機関による資金追跡の拡大、採用試験手続きの統一基準の確立、そして汚職の定義と罰則をめぐる法的空白の解消である。

とくに2番目の「制度そのものの見直し」は踏み込んだ内容だ。地方自治体の職員採用は、県や市ごとに実施されてきた経緯があり、その分散が不正の温床になったという認識が背景にある。

「政治家の関与がある」

アーサポン委員長は、聴取の対象が500人以上に達しており、捜査は9月中に完了する予定だと述べた。そのうえで「政治家の関与がある」と言及している。ただし特定の人物への聴取を委員会が行ったかどうかについては、実施していないと説明した。

タイの地方公務員は、安定した身分と年金が保障される職として根強い人気がある。地方では民間の正規雇用が限られるため、志望者は毎年数万人規模にのぼる。その入り口に価格がついていたとすれば、払えなかった人たちは何を失ったのか。

捜査の結論は9月に出る。制度を残すのか、作り直すのか。判断はその後に持ち越される。

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