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【2026年版】タイ全国工業団地ガイド―日系企業が集まる主要工業団地をインタラクティブマップで紹介

タイには国営のタイ工業団地公社(IEAT)が管轄する工業団地が全国15県に47カ所、さらにロジャナやアマタ、WHAなど民間デベロッパーが運営する団地を含めると全国で60カ所以上の工業団地・工業団地群が存在する。JETROが2025年2月に公表した調査(2024年度実施)では、タイに進出する日系企業は6,083社にのぼり、東南アジアで最大級の日系企業集積地となっている。本特集では、日本人読者に向けて、日系企業の集積度が特に高い主要工業団地を中心に、タイ全国の工業団地の所在地とデータを地図上でチェックできるインタラクティブマップを用意した。地図上のマーカーをクリックすると、各団地の運営会社、面積、進出日系企業の例などが表示される。

タイの工業団地とは―日系企業集積の全体像

タイの工業団地は、1972年設立のIEAT(Industrial Estate Authority of Thailand/タイ工業団地公社)が直接運営する団地と、IEATと民間資本の合弁による団地、そしてロジャナ・インダストリアル・パークのように民間資本のみで開発・運営される団地の3種類に大別される。IEAT関連の団地だけで15県47カ所にのぼり、このうち11カ所がIEATの直接運営、36カ所が民間との合弁事業となっている。工業団地に入居する企業は輸出入手続きの簡素化や外国人の土地所有制限の緩和、税制優遇(BOIとの連携)といったメリットを受けられるため、製造拠点を構えるほぼすべての外資系企業が何らかの工業団地に立地しているのが実情だ。

日系企業の集積が特に厚いのは、バンコクから東へ約100〜200kmに広がるチョンブリー県・ラヨーン県・チャチュンサオ県の「東部臨海地域」で、2018年以降は「東部経済回廊(EEC)」として国家プロジェクトに指定され、自動車・電子機器・石油化学・次世代産業(EV、デジタル、バイオ)への投資優遇が続けられている。この一帯はアマタ、WHA、ロジャナ、ヘマラチ(現WHA)といった大手デベロッパーの団地が集中し、「タイのデトロイト」とも呼ばれる自動車産業の一大集積地を形成している。次いで日系企業が多いのがアユタヤ県・パトゥムタニ県の中部工業ベルトで、電機・電子部品メーカーが中心。首都圏近郊のサムットプラーカーン県にも老舗団地が並び、北部のランプーン県、南部のソンクラー県にもそれぞれ地域拠点となる工業団地がある。

【インタラクティブマップ】工業団地の場所をクリックしてデータをチェック

下の地図には、日系企業の集積度が高い主要団地(赤マーカー)と、その他の主要工業団地(グレーマーカー)を合わせて掲載した。マーカーをクリックすると右側(スマートフォンでは下側)に団地データが表示される。「東部経済回廊(EEC)を拡大」ボタンで自動車産業の一大集積地であるチョンブリー・ラヨーン・チャチュンサオ周辺を拡大表示できる。

工業団地を選択してください

地図上の赤・グレーのマーカーをクリックすると、その工業団地の詳細データがここに表示されます。

日系企業の集積度が高い団地 その他の主要工業団地

※地図上の位置は各工業団地の代表地点を示す概略位置です。面積・企業数・進出企業名は各種公開資料(Wikipedia、JETRO、各団地公式サイト等)をもとに編集部が2026年時点でまとめたものであり、年度によって変動する可能性があります。最新情報は各団地の公式サイトまたはBOI・IEATに直接ご確認ください。

地域別解説

東部臨海地域(チョンブリー県・ラヨーン県・チャチュンサオ県)―自動車産業の一大集積地

タイ日系製造業の心臓部といえるのが、EECの中核をなすこの3県だ。チョンブリー県では1989年開設のアマタシティ・チョンブリ工業団地(旧アマタナコーン)が総面積約2,652haを誇り、進出企業約300社超のうち7割前後が日系という高密度な集積を形成している。日本通運やクボタ、日立、東芝プラントシステム、デンソー、ダイキン工業、AGCなどが名を連ねる。同じくシラチャ周辺にはピントーン工業団地群(1〜4期)が広がり、トヨタ紡織や住友電装など自動車部品サプライヤーが密集する。チャチュンサオ県のゲートウェイシティ工業団地はトヨタ自動車タイランドといすゞ自動車の完成車工場を擁する象徴的な拠点で、隣接するTFD工業団地は豊田通商が開発に関与するトヨタ系サプライヤー団地として知られる。ラヨーン県に移ると、アマタシティ・ラヨーン工業団地(AGC、住友ゴム工業、東海理化など)、WHAグループが展開するイースタンシーボード工業団地群(ESIE1〜4、トヨタ自動車グループが中心)、そしてタイ最大の石油化学コンビナートであるマープタープット工業団地が控える。港湾に隣接するレムチャバン工業団地は自動車部品の輸出拠点として機能している。

中部工業ベルト(アユタヤ県・パトゥムタニ県)―電機・電子と自動車の複合集積

アユタヤ県は民間資本の工業団地としてはタイ最大規模を誇るロジャナ工業団地(総面積10,260ライ、日鉄物産とウィニットブット家の合弁)が中心で、進出企業約350社のうち日系は約150社(約43%)を占める。ホンダ・モーター・タイランドや三洋半導体(タイランド)、ブリヂストンなどが立地し、2011年の大洪水被害からの復興でも国際的に注目された。同県のハイテク工業団地(バンパイン郡、総面積380ha)にはキヤノン、東レ、味の素、ミネベアミツミなど電機・精密・食品分野の日系企業が集まる。パトゥムタニ県のナワナコーン工業団地は、ローム、ミネベア、パナソニックといった電機・電子系企業に加え、近年はデータセンターの立地も進む複合拠点だ。

バンコク近郊(サムットプラーカーン県ほか)―老舗団地が集まる首都圏工業地帯

首都バンコクに隣接するサムットプラーカーン県には、デルタ電子や日立エナジーが入居するバンプー工業団地(総面積5,472ライ超)をはじめ、バンプー・ヌア工業団地、アジア・スワンナプーム工業団地など複数のIEAT団地が並ぶ。バンコク都内にもバンチャン、ラートクラバンといった古参の工業団地があり、都心近接という立地を生かして中小規模の日系メーカーも数多く操業している。

北部・南部・その他地域―地方拠点としての工業団地

北部ではランプーン県の北部工業団地(1985年供用開始、総面積286ha)がタイ北部唯一の大規模工業団地として電子部品・精密機械分野の集積地となっており、JETROの報告でも北部投資環境の代表例として村田製作所グループなどが言及されている。南部ではソンクラー県に南部工業団地とラバーシティ(ゴム関連産業団地)があり、ゴム・水産加工など地場産業と連動した工業団地が展開する。このほかプラチンブリー県(304インダストリアルパーク、ハイテク・カビン工業団地)、サラブリー県(ケーンコーイ、ノーンケー)、ラーチャブリー県、プラチュワップキーリーカン県、サムットサーコーン県、パッターニー県、ピチット県などにもIEAT系の工業団地が点在し、全国的なネットワークを形成している。

主要工業団地データ一覧

日系企業の集積度が高い主要工業団地(一覧)
団地名運営面積の目安代表的な日系企業例
アマタシティ・チョンブリ(旧アマタナコーン)チョンブリーアマタ/IEAT約2,652haデンソー、ダイキン、日立、クボタ
アマタシティ・ラヨーンラヨーンアマタ/IEAT約3,857ライAGC、住友ゴム、東海理化
WHAイースタンシーボード群(ESIE1〜4)ラヨーン/チョンブリーWHA数千ライ規模トヨタ自動車、トヨタ紡織
ゲートウェイシティチャチュンサオIEAT約3,358ライトヨタ自動車タイランド、いすゞ
TFD工業団地チャチュンサオ豊田通商系非公開トヨタグループ系サプライヤー
ピントーン工業団地群チョンブリー民間4期展開トヨタ紡織、住友電装
レムチャバンチョンブリーロジャナ非公開いすゞ関連、住友ゴム関連
マープタープットラヨーンIEAT大規模石化コンビナート石化系日系企業
ロジャナ(アユタヤ)アユタヤロジャナ(日鉄物産JV)10,260ライホンダ、三洋半導体、ブリヂストン
ハイテク(アユタヤ)アユタヤIEAT380haキヤノン、東レ、味の素、ミネベア
ナワナコーンパトゥムタニ民間約3,261ライローム、ミネベア、パナソニック
バンプーサムットプラーカーンIEAT約5,472ライデルタ電子、日立エナジー
北部工業団地ランプーンIEAT286ha電子・精密機械系(村田製作所グループ等が投資環境として言及)

まとめ

タイに進出する日系企業は6,083社(JETRO・2024年度調査)に達し、東部臨海地域を中心に自動車、電機・電子、化学など幅広い業種が工業団地単位で集積している。工業団地選びは、進出企業の業種特性やサプライチェーン、物流アクセス、既存の日系企業ネットワークの有無によって最適解が変わるため、本特集の地図とデータを参考にしつつ、実際の進出検討にあたってはBOI(タイ投資委員会)やJETROバンコク事務所、各工業団地デベロッパーへの直接確認をおすすめしたい。日刊タイニュースでは、今後も日系企業のタイ進出動向を継続してお伝えしていく。

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