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タイ東北部の寺、いじめた14歳見習い僧を56キロ先に置き去りにする罰

友達をからかって泣かせた罰は、まさかの「56キロ置き去り」だった。タイ東北部カラシン県クチナライ郡の寺で見習い修行をしていたラオス国籍の14歳少年が、友人いじめを理由に住職から科された懲罰の内容が明らかになり、SNS上で驚きと批判が広がっている。

関係者によると、少年は同年代の友人をからかい、泣かせてしまった。これを重く見た住職は、少年を車に乗せて隣県ムクダハン県カムチャイ郡の墓地近くまで運び、そこに置き去りにしたという。寺から現場までの距離は実に56キロ。少年は徒歩で戻るしかない状況に置かれた。

「軽度から重度へ」段階を踏んだ懲罰、過去にも3回

寺側の説明によれば、これは「軽度から重度へ」と段階を踏んで行われている品行矯正の一環で、過去にも片道約30キロの同様の置き去り罰が3回実施されていたという。今回はその「最重版」ともいえる56キロの距離だった。少年は幸い、別の寺「ワット・パー・バーン・ソン」にたどり着き、僧侶らに保護された。

「品行矯正のためだった」。住職はそう釈明しているというが、地元仏教界のクチナライ郡統括を務める僧侶は「非常に不適切で危険な行為だ」と厳しく指摘し、少年を安全に寺へ戻すよう指示したことを明らかにした。

SNSでは批判が殺到「タイってどうなっているんだ」

この一件がFacebook上で報じられると、コメント欄には「未成年をこんな形で夜道に放り出すなんて信じられない」「反省させる方法はほかにいくらでもあるはずだ」といった趣旨の投稿が殺到し、批判は瞬く間に拡散した。海外からタイの仏教文化に触れる機会が多い日本人にとっても、「お坊さんの罰」という響きとはかけ離れた過激さに驚く声が上がりそうな一件だ。

過去にも3回、片道30キロの「置き去り」

今回とりわけ問題視されているのは、これが初めてのケースではないという点だ。寺側の説明では、過去にも素行の悪さを理由に片道約30キロ先へ置き去りにする罰が3回実施されており、今回はその距離をさらに上回る56キロにまで「エスカレート」していた。仏教界の統括僧侶は「段階的に距離を伸ばしていくこと自体が、罰としての妥当性を欠く」と苦言を呈しているという。

幸い少年にけがはなかったというが、行き先も定まらぬまま50キロ超の道のりを一人で歩かされた14歳の恐怖は想像に難くない。タイでは寺が地域の教育機関を兼ねる例も多いだけに、伝統的な「厳しいしつけ」の文化と、現代の子どもの人権意識との間で、今後も議論が続きそうだ。日本の感覚では「まさか」と驚くような出来事が、真顔で語られてしまうところに、タイの地方の奥深さがのぞく一件でもある。

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