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「死亡しても遺体を送り返すことしかできない」タイ労働相が海外不法就労「ピーノーイ」に異例の警告

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タイの労働相が7月27日、海外で不法就労するタイ人、通称「ピーノーイ(小さなお化け)」に向けて異例の警告を発した。「不法滞在のまま海外で死亡した場合、政府にできるのは遺体を故国へ送り返すことだけだ」——。

「ピーノーイ」は、観光ビザなどで入国してそのまま働くタイ人不法就労者を指す俗語で、韓国や日本などで長年問題となってきた。正規の労働許可を持たないため、労災や医療保険の保護を受けられず、賃金未払いや劣悪な労働環境に置かれても訴え出ることすら難しい。

「守りたくても守れない」政府のジレンマ

労働相は、不法就労者が海外で事故や病気で命を落とすケースが後を絶たない現状を踏まえ、「合法的な労働者であれば、補償や保険、権利保護のすべてを政府が支援できる。しかし不法就労者にはその手段がない。死亡時に遺体の搬送を手伝うのが精一杯だ」と訴えた。その上で、政府間協定などに基づく正規ルートでの出稼ぎを強く促した。

タイ人の出稼ぎ先としては韓国が最大で、日本も技能実習や特定技能の枠組みで受け入れが拡大している。一方、日本では今月、福岡空港で覚醒剤の運び屋として逮捕されるタイ人が出るなど、海外でトラブルに巻き込まれるケースも相次いで報じられている。

「夢の出稼ぎ」の落とし穴

SNSでは「正規ルートは手数料が高すぎるから皆ピーノーイになる」「政府はまず送り出し費用を下げて」「命あっての出稼ぎ」と、警告への共感と制度批判が入り交じる。高賃金の夢の裏にある「保護ゼロ」の現実。海を渡る前に、まず自分の身を守る手続きを——労働相の言葉は重い。

労働省は今後、出稼ぎ希望者向けの相談窓口や正規派遣制度の周知を強化する方針も示しており、「知らなかった」では済まされない時代に入りつつある。海外で働くタイ人と、タイで働く外国人。立場は違えど「正規の手続きが自分を守る」という原則は同じだ。

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