タイ商務省は、仏教の「精進料理期間(テーサカーン・キンジェー)」に合わせ、45社と連携した「ไทยช่วยไทยกินเจ(タイがタイを助ける、精進料理を食べよう)」フェアを実施し、食品や日用品を最大50%引きで提供する取り組みを始めた。インフレが続くタイで暮らす日本人にとっても、生活費を抑える好機になりそうだ。
精進料理期間は毎年秋に行われる風習で、肉や魚を使わない食事を一定期間とる人が多い。この時期に合わせて、大手食品メーカーのCPラム(CPグループ系列)が50品目を超える精進向け食品を発表するなど、流通各社がキャンペーンを展開している。タイ国家観光庁(TAT)は、この期間の国内旅行者数を132万人、消費額を数百億バーツ規模と見込んでいる。
対象者と利用方法
割引の対象は国籍を問わず、参加するスーパーマーケットやコンビニ、提携レストランで精進料理メニューや対象商品を購入した人が条件を満たせば適用される。期間や対象店舗、割引率は商品・店舗ごとに異なるため、各社の告知やアプリのクーポンを確認しておく必要がある。タイ在住の日本人も、普段の買い物のタイミングを合わせることで食費を抑えられる。
物価上昇の中での生活防衛策
タイの9月の物価上昇率は2.82%に加速し、燃料や卵、豚肉などが値上がりしている。1万円は約2120バーツに相当するが、物価上昇が続けば実質的な購買力は下がる。精進料理期間のような季節キャンペーンを活用することに加え、国内取引局がヤワラート地区などで価格調査を行い値上がりを監視する動きもあり、今後も当局主導の値下げ施策が打ち出される可能性がある。
精進料理期間はタイ文化を知る機会にも
精進料理期間はもともと中華系タイ人の信仰に根ざした風習で、黄色い旗を掲げた屋台や店舗が並ぶ光景は、タイの秋の風物詩の一つになっている。タイに住む日本人や長期滞在者にとっては、肉や魚を使わない料理を試す機会として、文化的な側面からも楽しめるイベントだ。バンコクのヤワラート(中華街)地区では毎年多くの屋台が出店し、国内外からの観光客でにぎわう。
商務省は今回のキャンペーンを通じて、物価上昇に苦しむ低中間層世帯の負担軽減と、精進料理期間特有の消費需要の取り込みの両方を狙っているとみられる。生活費を抑えたい在住者は、対象店舗の告知をSNSや店頭でチェックしておくとよいだろう。