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バンコクのオフィス供給が675万平方メートルに膨張、グリーン認証だけが吸収を伸ばす

タイの首都バンコクのオフィス市場が、供給過剰の局面に入っている。ナイトフランク・チャーター(タイ)がまとめた2026年第2四半期の調査によると、この四半期だけで5棟・20万7000平方メートルが竣工し、市場全体の累積供給量は675万平方メートルに達した。前四半期比で3.2%の増加である。

一方で賃貸成約率は76.4%に低下した。埋まらない床が積み上がっている。

竣工前に4割が埋まる新築と、空く既存ビル

興味深いのは、新規供給の39%が竣工前にすでに先行契約で埋まっていた点だ。新しいビルには借り手がつく。問題は、そこへ移った企業が空けた既存ビルのほうにある。

地区別に見ると、CBD(中心業務地区)の平均賃料は1平方メートルあたり月977バーツで、空室率は25%。CBD外は賃料693バーツ(前四半期比3.0%増)ながら、空室率は22%へ上昇した。

グレード別の賃料は、A級が1平方メートルあたり月1268バーツ(同2.2%増)、B級が864バーツ(同0.4%増)、C級が542バーツ(同0.1%増)。上位グレードだけが賃料を上げられている構図がはっきりしている。

グリーン認証は9万2000平方メートルのプラス、非認証はマイナス

今回の調査で最も象徴的なのが、純吸収面積(新たに埋まった床の正味増加分)の内訳だ。グリーン認証を取得した物件は9万2000平方メートルのプラスだったのに対し、非認証の物件はマイナス1万6000平方メートル。認証の有無が、借り手のつくビルとつかないビルを分ける線になっている。

グリーン認証物件の供給量は295万平方メートルで、市場全体の44%を占めるまでに増えた。

ナイトフランク・チャーターのペンニャ・ジェンキッジバッタナレート氏は、市場の見方をこう語る。

「テナントは単に賃料の安さを求めているのではありません。働く人の基本的なニーズに応える空間を探しているのです」

同氏はまた、空いた床をどれだけ早く動かせるか、その「アクティベーション速度」が市場回復の鍵になると指摘した。

日系企業にとっての選択肢は広がる

バンコクに拠点を置く日系企業にとって、この状況は交渉材料が増えることを意味する。空室率が20%台に乗った市場では、フリーレント期間や内装工事費の負担条件を引き出しやすい。一方で、ESG報告を求められる企業ほど、グリーン認証ビルへの移転圧力も高まる。

ビルのグレードではなく、認証と設えが競争力を決める時代へ――バンコクのオフィス市場は、そのただ中にある。

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