タイ商務省は、2026年8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で2.53%上昇したと発表した。7月の1.95%から伸びが加速しており、食料品と燃料価格の上昇が家計を圧迫している構図が鮮明になった。
商務省の発表によると、インフレ圧力は複数の要因から生じている。燃料価格は中東情勢の緊張が続く影響で前年比で高水準を維持。加えて鶏卵や生鶏肉、野菜、果物といった食料品の値上がりも大きく寄与した。
食品・飲料は2.99%上昇、その他部門も2.23%上昇
内訳を見ると、食品・飲料部門は前年比2.99%の上昇。加工食品やコメ、卵などが値上がりした。食品・飲料以外の部門も2.23%上昇しており、燃料費や公共交通運賃、家賃負担の増加が押し上げ要因となっている。値動きの大きい生鮮食品やエネルギーを除いた基調インフレ率は1.44%だった。
商務省は「年間インフレ率の見通しは1.5〜2.5%のレンジを据え置く」としつつ、「第4四半期のインフレ率は2.7%程度まで上振れする可能性がある」との見方を示した。食品価格の上昇幅自体は緩やかになりつつあるといい、年末に向けた最大の変数はエネルギー価格と天候条件だとしている。
家計の負担感、庶民の声は複雑
バンコク市内の市場で買い物をしていた主婦は「卵の値段が上がって、毎日の献立を考えるのが大変になった」と話す。一方で商店主の一人は「原材料費が上がっている以上、価格転嫁は避けられない」と苦しい胸の内を明かした。
物価上昇は輸入エネルギー依存度の高いタイ経済にとって構造的な課題でもある。政府は燃料補助金など家計支援策の是非も含め、年末までの物価動向を注視する構えだ。