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タイ新車市場の3割を中国ブランドが掌握、EV平均価格がハイブリッドを下回る

タイ新車市場の3割を中国ブランドが掌握、EV平均価格がハイブリッドを下回る
画像:イメージ

電気自動車(EV)の平均価格が、ハイブリッド車を初めて下回った。調査会社モビリティ・グローバルによれば、世界のEV平均価格は約3万7000ドル(およそ130万バーツ)まで下がり、2020年比で9%の下落となった。同じ期間にハイブリッド車は16%上昇し、平均3万9000ドル(約136万バーツ)に達している。高いのはEVではなく、ハイブリッドという逆転が起きた。

この構図が最も鮮明に表れている市場のひとつが、タイである。バンコクをはじめとするタイ国内の新車市場で、中国ブランドの合計シェアは3割近くに達した。

値下がりの主因はリチウムイオン電池

価格低下を引き起こしたのは、車両コストの30〜40%を占める電池である。ブルームバーグNEFの集計では、乗用車向け電池のコストは2020年から2025年にかけて37%下落した。

特に効いたのが、リン酸鉄リチウム(LFP)電池の普及だ。高価なコバルトを使わずに済むため、材料費を大きく抑えられる。世界の電池サプライチェーンのおよそ8割を中国が握っており、この構造がそのまま中国メーカーの価格競争力になっている。

タイは中国勢の輸出ハブに

中国の自動車メーカーの海外展開は加速している。2025年の中国製EV輸出は164万台に達した。2020年には10万台にも満たなかったことを考えると、5年で急拡大したことになる。

BYDや長城汽車(GWM)は、電池生産から車両組み立てまでを垂直統合し、コスト優位を維持している。両社ともタイ国内に生産拠点を構え、政府の投資優遇策と地理的条件を活かして、この国を地域向けの輸出ハブとして位置づけている。

迎え撃つ日系メーカーも戦略の修正を進めている。トヨタはEVとハイブリッドの双方を並行して展開する「マルチパスウェイ」の路線を堅持し、日産は中国国内にEVの生産拠点を設けて世界へ供給する構えだ。

タイは長年、日系メーカーが築いた自動車生産基盤に支えられてきた。その土台の上に、中国勢がEVという別の車軸を持ち込み、価格でシェアを削り取っている。ハイブリッドよりEVのほうが安いという新しい常識が、タイのショールームから広がり始めている。

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