
捜索は終わった。だが、誰も望まない終わり方だった。7月29日夜、タイの旅行系ユーチューバー「フルン・ソロ」の遺体がジョージアで発見されたと伝えられた。家族が連絡を取れなくなってから、16日目のことである。
フルン・ソロは旅を専門にする人気ユーチューバーだ。コンテンツ撮影のためジョージアへ渡ったのが7月13日。兄の「モス」さんによれば、最後に言葉を交わしたのもその日だった。以降、連絡は完全に途絶えた。タイ国内では家族とファンが情報提供を呼びかけ、アンカラのタイ大使館を通じてジョージア当局が手がかりを追う事態にまで発展していた。
「私はフルンの遺体を見つけました」
知らせを最初に発信したのは、家族ではなかった。ユーチューブの旅番組「アーサー・パーパイロン」を運営するアキラ・ウォンセン氏、通称ワンチャイである。ワンチャイ氏は捜索の連絡役として、タイとジョージアの両国をつなぐ調整にあたっていた。
7月29日午後8時ごろ、氏はSNSにこう投稿した。「私はフルンの遺体を見つけました。フルンのご家族に、心よりお悔やみを申し上げます」。そして続けた。「ご家族にはすでにお伝えしました。詳細については、ご家族からお知らせいただくようお願いします」
短い文面だった。死因も、発見場所も、状況も書かれていない。それでも、フルン・ソロの行方を追い続けてきた人々にとっては十分すぎる知らせだった。
「私が知らせを出したことをお詫びします」
投稿はまたたく間に拡散し、同時に「なぜ家族より先に第三者が発表したのか」という声も上がった。約1時間半後、ワンチャイ氏はフェイスブックページ「アーサー・パーパイロン」で改めて経緯を説明し、謝罪した。
「私がこの知らせを出したことをお詫びします」。氏はそう書き出したうえで続けた。「フルンの兄であるモスさんと連絡を取り合い、2つの国の両側で調整しながら、朝からずっと捜索を続けてきました。そして警察署から確認が取れたのです」
発表の権限についても説明した。「私がこの知らせをフルンのご家族に伝えました。そして、各チームの捜索を終わらせるために知らせを出す許可を、ご家族からいただいています」。そのうえで、こう念を押している。「詳細については、ご家族と、直接の関係者から発表していただくほうがよいと思います」
時差のある2つの国のあいだで朝から電話をかけ続け、最後に警察からの確認を受け取った人物が、そのまま最初の報せ手になった。投稿は、その経緯を淡々と伝えていた。
#フルンソロ、#R.I.P、#ジョージア
知らせが広まると、SNSは追悼一色になった。チャンネルの登録者、ファン、そして多くの著名人が、フルンさんの死を悼み、家族に哀悼の言葉を寄せた。
X(旧ツイッター)では、ハッシュタグ「#ฮลุนโซโล่(フルン・ソロ)」がトレンド1位に浮上。続いて「#R.I.P」、そして「#จอร์เจีย(ジョージア)」がトレンド入りした。タイのSNSが、一人の旅人の名前で埋まった夜だった。
死因や発見の詳細は、この記事の時点で公表されていない。ワンチャイ氏が繰り返し「ご家族から」と強調している以上、今後の正式な発表を待つほかない。
ジョージアは近年、タイ人旅行者のあいだで「ビザなしで行ける知られざる絶景の国」として人気が高まっていた。カメラを担いで一人で出かけ、まだ誰も撮っていない景色を撮る。それが旅系ユーチューバーの仕事であり、フルンさんが選んだ生き方でもあった。16日間、家族と支援者が探し続けた末に届いた答えは、あまりに重い。

