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ラオスの首都、中国系グレー資本が土地を買い占め コールセンター詐欺拠点に タイ人が餌食

タイ当局の摘発から逃れた中国系「グレー資本」が、国境を越えて新たな帝国を築き始めた。舞台はメコン川の対岸、ラオスの首都ビエンチャンだ。

タイラット紙が28日から29日にかけて報じた調査報道によると、詐欺コールセンター(コールセンターギャング)の拠点が、ミャンマー国境地帯からラオスへと大規模に移転している実態が明らかになった。中国系のグレー資本が現地の土地を買い占め、新たな犯罪インフラを建設しているという。

ビエンチャンとターケークが新拠点に

同紙が名指ししたのは、首都ビエンチャンと、中部カムムアン県の都市ターケーク。いずれもタイと国境を接し、メコン川を渡ればタイ側の街まで数十分という立地だ。

「以前のミャンマー・ミャワディ周辺と同じことが、いまラオスで起きています」と現地事情に詳しい捜査関係者は指摘する。「土地を買い、建物を建て、電気と通信を確保する。手順まで完全に同じです」

タイ・ミャンマー国境地帯では、タイ政府が電力・燃料・通信の遮断措置を取ったことで、詐欺拠点の運営コストが跳ね上がった。その結果、組織は規制の緩い場所を求めて移動を始めたとみられる。

狙われるのは「タイ語を話す人間」

拠点が移っても、標的は変わらない。タイ語を母語とする人々だ。

投資詐欺、偽の警察を名乗る恐喝、荷物が税関で止まっているという定番の手口——いずれもタイ国内の被害者に電話をかけ、口座への送金を促す。国境の向こうに拠点があるため、タイ警察の捜査権が直接及ばないという厄介さがある。

「タイ人が騙され、タイ人の金がラオスの中国系資本に流れ込む。この構図が続く限り、被害は止まりません」(捜査関係者)

「ゼロダラー」経済も並行して拡大

タイラット紙は同時に、チョンブリー県ボーウィン一帯で拡大する「中国ゼロダラー」経済圏の実態も報じている。中国資本が観光から小売、不動産までを垂直統合し、資金が現地経済にほとんど落ちない構造ができあがりつつあるという。

「工場も店も中国人が持っていて、タイ人は雇われるだけ。それも最低賃金です」「電子商取引プラットフォームの手数料が高すぎて、地場の小売はもう勝てない」——現地の事業者からはそんな悲鳴が上がる。

SNS上でも「ミャンマーを叩いたらラオスに逃げただけ」「メコン川流域全体で協調しないと意味がない」「タイ人が被害者であり続けるのはもううんざり」といった投稿が並んだ。

タイ政府は近隣国との情報共有と資金追跡の強化を進める方針を示しているが、国境を越えて移動する組織を国単位の対策で押さえ込むのは容易ではない。叩いたモグラは、隣の穴から必ず顔を出す。

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