スポンサーリンク
スポンサーリンク

タイ北部の66歳女性、AIが作った「パイロット」に恋してチェンマイ空港で一夜を明かす

イメージ画像

会えるはずだった「恋人」は、最初から存在しなかった。タイ北部ランパーン県ワンノイ郡の少数民族コミュニティに暮らす66歳の女性ナンさんが、フェイスブックで知り合った「パイロット」を追ってチェンマイ空港まで足を運んだところ、待っていたのはAIが生成した架空の人物だったという顛末が明らかになった。

フェイスブックで知り合った「チャイ」

ナンさんは数カ月前、フェイスブックを通じて「チャイ」と名乗る男性とやり取りを始めた。相手は「チェンマイ空港に勤務するパイロット」を自称し、海外土産の化粧品を渡す約束をして、ナンさんをチェンマイ空港まで呼び出したという。

約束の日、ナンさんはランパーンの自宅から車を乗り継いでチェンマイ空港へ向かい、指定された場所で数時間にわたり「チャイ」の到着を待ち続けた。しかし夜になっても男性は姿を現さなかった。

保安担当者が示した写真は「AI生成」

不審に思った空港の保安担当者が声をかけ、身元確認のためフェイスブック上の「チャイ」の写真を見せてもらったところ、実在の人物ではなくAIで生成された画像だと判明した。担当者は詐欺グループの被害に遭っている可能性が高いと判断し、観光警察に通報した。

夜の空港で保護、翌朝バスで帰路に

夜20時ごろ、保安要員がナンさんを保護し、空港側が一夜の宿泊場所を提供した。翌朝には職員がバスの乗車券売り場まで付き添い、ランパーンへ戻る手配を整えたという。息子は空港職員と連絡を取り合い、母親の帰宅を待つ体制を整えていた。

SNSでは同情と警鐘の声

この出来事はタイのSNS上で大きな反響を呼び、「AIの写真にここまで人を信じ込ませる時代になったのか」「一人暮らしの高齢の親がいる人は他人事ではない」といった趣旨のコメントが相次いだ。息子が今後、母親の携帯電話の通話記録やフェイスブックのやり取りを確認していく意向を示したことも伝えられており、家族による見守りの重要性を訴える声が広がっている。

広がるAIを使った「ロマンス詐欺」

タイでは近年、SNS上の架空の恋愛相手を使って金銭や個人情報をだまし取る「ロマンス詐欺」が社会問題化しており、今回のようにAI生成画像を使うケースも報告され始めている。警察当局は、オンラインで知り合った相手と直接会う約束をする際は、事前に家族に相談するよう呼びかけている。

空港のロビーで一夜を過ごしたナンさんが見つめていたのは、初めから搭乗することのない便の掲示板だったのかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました