
外国資本によるタイの不動産「裏買い」に当局が大なたを振るった。商務省は内務省・警察と合同で、チョンブリー県バンラムン郡の高級住宅地に拠点を置く法人33社を一斉捜索した。タイ人名義の株主を隠れみのに外国人が住宅や土地を実質保有する「ノミ二ー(名義貸し)」の疑いが持たれている。タイ字紙各紙が報じた。
捜索対象となったのは、パタヤ周辺の大型住宅プロジェクトで不動産を取得していたリスク法人群。タイの法律では外国人の土地保有は原則禁止されているが、タイ人に過半の株式を持たせた形だけの会社を設立し、実際には外国人が資金と経営を握る手口が横行してきた。当局は、こうした法人が住宅を取得した後に転売や賃貸で利益を上げていた実態を突き止めたという。
株主のすり替えで「バレない」つもりが…
捜査関係者によると、一部の法人は当局の監視を逃れるため、株主構成を頻繁に入れ替える偽装工作まで行っていた。商務省幹部は「タイ人株主に実体がなければ、それはタイの会社ではない。法の抜け穴を塞ぎ、違反者は刑事責任を問う」と強い姿勢を示した。ノミ二ーと認定されれば、名義を貸したタイ人側も処罰の対象となる。
グレー資本への包囲網は全国へ
パタヤを含む東部沿岸は外国人向け不動産の一大市場で、近年は外国系グレー資本の流入が社会問題化してきた。当局は今回の摘発を足がかりに、プーケットやバンコクなど外国人需要の高いエリアにも捜査を広げる方針だ。不動産業界からは「まっとうな外国人投資まで冷え込ませないよう、線引きを明確にしてほしい」との声も上がる。
外国資本の受け皿として発展してきたタイのリゾート不動産。その光と影のうち「影」の部分に、いよいよ本格的なメスが入り始めた。