タイの石油・小売大手、PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス(OR)は、2026年上半期の売上高が3820億バーツに達し、前年同期比9.2%増となったことを明らかにした。ガソリンスタンド事業を中核としながら、電気自動車(EV)関連やカフェ・コンビニなどライフスタイル事業への投資を加速させている姿勢が、業績にも表れた形だ。
ガソリンスタンド網を軸に非燃料事業を拡大
ORはタイ国内最大級のガソリンスタンドチェーンを展開する一方、カフェチェーン「カフェ・アマゾン」やコンビニ事業など、燃料販売以外の収益源の拡大にも力を入れてきた。今回の増収は、燃料需要の底堅さに加え、こうした非燃料事業の成長が寄与した結果とみられる。
同社は今後の成長戦略として、EV充電インフラの整備やEV関連サービスへの投資を加速させる方針を掲げている。タイ政府がEVシフトを国家戦略として後押しする中、ガソリンスタンド網を持つORにとって、既存拠点を活用したEV充電ステーションの展開は、事業転換の柱として位置づけられている。
タイのEV普及とライフスタイル事業、両輪での成長を模索
タイ国内ではここ数年、中国メーカーを中心にEVの普及が急速に進んでおり、既存の燃料販売事業者にとっては事業モデルの転換が避けられない課題となっている。ORはこうした市場環境の変化を見据え、EV関連投資とカフェ・小売などライフスタイル事業の強化を同時に進めることで、燃料販売への依存度を下げつつ収益基盤を多角化する狙いとみられる。
タイ証券取引所に上場するOR株は、国内消費と密接に関わる銘柄として個人投資家からの関心も高い。今回の増収発表を受け、今後の投資計画や配当方針についても市場の注目が集まりそうだ。ガソリンスタンドの軒先で充電ケーブルを差し込む光景が、タイの日常風景として定着する日も、そう遠くないのかもしれない。