タイの大手銀行クルンタイ銀行(KTB)は2日、傘下の金融事業グループの組織再編の一環として、新たに2つの持株会社を設立したと発表した。デジタル技術革新と保険・資産運用の両分野で事業基盤を強化する狙いだ。
デジタル技術革新を担う新会社
新設される1社目は「クルンタイ・アライアンス・ホールディング」。2026年10月1日付で設立され、資本金は100万バーツ(約470万円)。金融グループ各社に共通支援サービスを提供するほか、デジタル技術革新に関連する事業を統括する持株会社として機能する。KTBの持株比率は99.99%となっている。
投資・保険事業を担う新会社
2社目は「クルンタイ・キャピタル・ホールディング」。こちらも同じく2026年10月1日付で設立され、資本金は同じく100万バーツ。投資・資産運用、保険事業に従事するグループ各社を統括する持株会社と位置づけられている。KTBの持株比率はこちらも99.99%だ。
両社はすでにタイ中央銀行から2026年9月9日付で、金融事業グループ内の企業としての認可を取得済みで、今回の設立は「重大な関連当事者間取引」には該当しないとKTBは説明している。
デジタル化と保険事業の両輪で競争力強化
KTBの関係者は「金融グループ内のガバナンスを整理し、デジタル化と保険・資産運用という2つの成長分野にそれぞれ専念できる体制を整えた」と狙いを説明する。タイの銀行業界では近年、フィンテック企業との競争激化や、保険・資産運用分野への多角化が各行共通の課題となっており、KTBの今回の組織再編もこうした流れに沿ったものとみられる。
金融アナリストは「持株会社を分離することで、規制対応の柔軟性が増し、将来的な事業譲渡や提携も進めやすくなる。KTBのデジタル戦略の本気度を示す動きだ」と評価している。KTBは今後、両新会社を通じて新たなデジタルサービスや保険商品の展開を加速させる方針とみられ、タイの金融業界における競争環境にも一定の影響を与えそうだ。