タイ商務省の外国人事業委員会は、2026年1~9月の外国人によるタイでの事業許可件数が971件(前年同期比26%増)、投資額は2711億7600万バーツ(約1兆2745億円、前年同期比7%増)になったと発表した。この間に生まれたタイ人の雇用は6134人(前年同期比20%増)。許可の経路別では、外国人事業法に基づく営業許可が228件、BOI(タイ投資委員会)の投資奨励や工業団地公社、国際条約・協定の活用などによる営業証明書が743件だった。
件数では中国が1位、投資額ではシンガポールが1位
国籍別の件数では、中国が183件(19%)で最多となり、米国160件(16%)、シンガポール131件(13%)、日本131件(13%)、香港89件(9%)と続いた。中国と日本・シンガポールの件数は接近しているが、投資額で見るとシンガポールが744億5200万バーツ(約3498億円)で首位に立ち、日本は565億6200万バーツ(約2658億円)で2位につけている。件数では中国が最多でも、1件あたりの投資規模では日本やシンガポールの方が大きい傾向がうかがえる結果だ。
日本企業の投資分野
日本からの131件の投資は、自動車部品の研究開発に関わる技術サービス、電子機器の設計、ソフトウェア開発、太陽光関連部品や工業用プラスチック部品の受託製造などが中心となっている。東部経済回廊(EEC)地域に限ると、日本からの投資は45件、282億8300万バーツ(約1329億円)にのぼり、自動車産業の集積地であるEECでも日本企業の存在感は大きい。
タイ人への技術移転も進む
委員会は、こうした外国投資がタイ人労働者への技術移転にもつながっている点を指摘している。具体例として、小売店運営のノウハウ、燃料レール(自動車部品)の製造技術、射出成形機の運用に関する知識などが挙げられており、投資の受け入れが単なる資本移動にとどまらず、タイの産業人材育成にも寄与している実態が示された。
タイを投資先として検討する日本企業にとって、EECを中心とした自動車・電子部品分野での投資環境は引き続き整備が進んでいるとみられ、今後も同分野での投資動向が注目される。